意識的な世界の創造者たちへのインタビューWebサイト
Spiritual Voyager Intervie of the crearor of consciousnesworld.

スピリチュアルボイジャーズは、意識的、精神的な時代を実践的に生きる人々のインタビューWebサイトです。
彼らの意識的な価値観や考え方、ユニークな生き方や視点など、
新しい時代を意識的に生きたいと考える人々にとって、興味深い話題が盛りだくさんです。

ロハス層が増えれば日本は変わる。
和田:  今日はよろしくお願いします。今日は、どんなお話から始めましょうか(笑)。実は、大和田さんとは、親しくさせていただいていて、いろんな話をしますので、少々やりづらいところもありますが(笑) 進めていきたいと思います。
 さて、今日、ここは始めてきたところなのですが、どういう場所でしょうか?
大和田:  成城学園前で、駅から徒歩1分『アグリス成城』といいます。
小田急電鉄の新規事業で会員制の貸し菜園事業グリーンエンターテイメントなんです。



和田:  さすがに東京らしい(笑)
大和田:  去年の5月に出来たのですが、広告が電車の中に吊ってあって、それがすごくおしゃれだったので、いったい何ができるのかしらって、私に断りもなしに(笑)って、思ってたんです(笑)・・・冗談ですけどね。
 実は、ちょうど去年の1月に小田急電鉄を取材しまして、駅前にあるコルティという商業施設があるんですが、あれは、私からするとかなりロハスなんです。沿線価値をエコとかロハスで高める戦略だという記事を、「日経エコロジー」で書いていたので。あの時、教えてくれてればよかったのなって。
和田:  ここは、駅ビルありましたっけ?
大和田:  駅ビルは、待ち合わせしていた辺りが駅ビルですね。でも、建物が半オープンだから駅ビルという感じがしないですね。
和田:  今回は、高級住宅街、成城学園前駅近くの貸し菜園とおしゃれなクラブハウスのある『アグリス成城』でインタビューしています。
 大和田さんはロハスの普及に情熱を注ぐ第一人者ですが、このスピリチュアルボイジャーズでも、以前、井手さんに出ていただきました。井手さんと大和田さんは非常に親しいご友人なんですが、井手さんにはロハスとは何か?ということを、いろいろな角度からお話いただきました。実は、日本に初めてロハスを紹介した人物は大和田さんなんですね。最初の記事が掲載されたのはいつ頃でしたか?
大和田:  2002年の9月。5年半くらい前ですね。
和田:  ロハスそのものはいつ頃からでしたか?
大和田:  ロハス会議が始まったのは11年前なんですが、最初の頃は、ロハス会議とは言ってなかったんです。だから、私が行った2002年は「ナチュラルビジネス・マーケットトレンドカンファレンス」という名前で副題としてロハスコンシューマーの…というようにロハスという言葉は副題だったんです。確か翌年からロハス会議となって。まだ、前面には出てきてなかったですね。
和田:  場所はボールダーですよね。
大和田:  ボールダーの隣街、ブルームフィールドでした。
和田:  あっ、ブルームフィールドでやったんですか・・・昨年、僕も行ってきました。
まさにLOHAS生みの親である企業「ガイアム(GAIAM)」の城下町ですね。
大和田:  そうそう。そこのホテルで行われました。
和田:  ポール・レイ博士の研究などがロハスのベースになっていますね。
大和田:  そうですね。ちょうど私が行った年に、初めてロハスコンシューマーの調査結果が発表されて、アメリカにはロハス人口が約3割いると公表されたんですね。
 井手さんもお話されたかもしれませんが、元々ロハスを始めた人達というのは、元ヒッピーの人達で、ボールダーでオーガニックとかナチュラルビジネスをやってきた人達ですよね。彼らが、ナチュラルビジネスをもっと大きくするにはどうしたらいいかと考えた時に、投資家から投資を呼び込もうとか、今のビジネスのやり方を活用して、社会の中心に持っていこうとした訳なんです。実際最初1回目の会議は、バークレーで開催されたそうですよ。投資家を呼んでナチュラルビジネスの人達がいて、きっと投資家と企業家のお見合いみたいなものだったんだと思うんですけどね。

和田:  サンフランシスコですね。
大和田:  そう。それで投資した先が結構上手くいって、翌年からも継続していこうという事になったそうなんです。最初は、ほんとにオーガニックビジネスを、いかに社会の中心に持っていくか・・・これがロハス会議の原点なんですよね。
 それから私が行った6回目は、400人くらいの規模だったのですが、全米からソーシャルアントレプレナーっていう“社会起業家”と今は日本でもよく聞くようになりましたが、そういう人達が集まっていたんですね。壇上に立っているのは、ソーシャルアントレプレナーとして成功している人たち、例えば『トムズ・オブ・メイン』という歯磨きの会社の創業社長のトム・チャペルさんなどがお話されるわけです。
 「私は、自分の欲しい無添加で天然の歯磨きがなかったから、自分と妻とで造ったんだ」と。メイン州のすごく自然の美しいところに移り住んでオーラルケア商品をつくり始めたっていう話をしたり。
和田:  それは、すごくエコロジーな歯磨きペーストなんですか?
大和田:  植物由来原料をベースに石油系の発泡剤などは入れてないんです。以来、私は同社の歯磨きペーストを愛用しています。
 そういった社会起業家の先駆者とか、あるいは、環境学者のレスター・ブラウンさんがエコエコノミーというテーマで話をしたりとか、ホールフーズとワイルドオーツの役員が出てきて対談したり、そういう会議でしたね。
  ポールレイさんの話は、「いま、ロハスコンシューマーの人達は、点で存在していて自分の事をロハスだと気がついていない。ただ、彼らがだんだんに連帯していって、繋がっていって、政治の世界もこれから変わっていくに違いない・・・」というような事もお話されていましたね。
和田:  なるほどぉ〜。
大和田:  でも、その後、ブッシュ政権になっちゃったんだけどね(笑)
 だから、そういう意味で、私が行った2002年は、ある意味ロハスに関するいろんなデータが出揃った年だったんです。だからこそ、まとまった記事が書けたんだと思います。
和田:  面白いですよね。2001年に9.11があって、その後に、急激にこういう情報がアメリカでも出てくるなんて。
大和田:  でも、やっぱりアメリカが急に変わってきてるのは、政権はともかく“ハリケーンカトリーナ”の被害と映画“不都合な真実”があったからだと聞きます。
和田:  そうですか。
大和田:  だから、昨年5月のロハス会議で、自治体もサスティナビリティを競うし、事業家もグリーン度を競うし。それは、ここ1〜2年で急激にそうなった感じです。
和田:  そういう意味では、ずっと初期の頃からロハスを眺めていて変化は大きいですか?
大和田:  10回目の井手さんと行った会議ですけど、元AOL創業者のスティーブ・ケースが登壇して出てきて、自分もロハスの世界にビジネスで参入すると宣言していましたが、あーロハスもついにメインストリームに来たかなと感じました。それまでは、社会起業家という言葉だって日本で最近やっと聞きますけど、ここ数年のことです。
和田:  そんなロハスですが、今ではすっかり定着して、ロハスという言葉を知らなくても、選択することを自然に受け入れられるようになってきていますよね。
大和田:  調査をすれば、日本では4人に一人がロハスです。次の「生活堅実層」の人達がここ3年でかなり増えているんですよね。ロハス層は数字の上では29%から25%に若干減ってるわけなんです。次の層は、以前は27%だったのが、今は46%位に来ていて、約20%増になってるんですよ。この人達は、温暖化などで環境問題に関心があるけれど、行動はまだしてないんですね。この層の人達が動くと、日本は確実に変わるんですよね。
和田:  そうですね。アメリカではプリウスがすごく多いじゃないですか。プリウスを買う理由は、エコロジーで買うというよりも燃費がいいから買ってるんです。今回の原油高で、またプリウスの市場は伸びてるのではないかと思うのですが、どんな形であれ結果的に、そっちの選択を知らず知らずのうちにしているのは、それはそれでいいのかなと思います。
大和田:  私は、ボディーショップにいた経験もあるので、そういう意味では少し普通ではないところに20年近くいました。和田さんから見ると、世の中は、確実にロハスとかエコに人々の関心は移ってきていると実感しますか?
和田:  僕は実感しますね。一般の人も普通に語っていますし、昔はエコロジーという言葉すら、なに?どういうこと?的な感じだったでしょ。バブルに向っている時は全く関係なかったし、環境問題などは草の根活動家達の世界だった感じがします。
大和田:  地味で、ストイックでね・・・(笑)。
和田:  でも、今はごくごく普通にエコバックも多くの人が使っていますし、コンビニの袋ですら、小さいものならいりませんと言ったり。まあ、コンビニ使っている時点で、どうなんだって事もありますけど(笑)

すべてが健康な状態を目指すのがロハス。
和田:  さて、先程も少し出たのですが、地球温暖化が今世界の最大のテーマのような気がするんです。環境汚染とか動植物の絶滅がものすごいスピードで進んでいる、あるいは水不足、食糧問題、飢餓貧困、こういったことが、今世界の地球の危機的な側面でありますよね。そことエコロジー、ロハスという事が全部ぐちゃぐちゃになっていて、それぞれ棲み分けはあると思うんですね。しかし、多くの人のマインドの中には、未来への危機感へ繋がっていると思うんです。エコロジーと言うと、どちらかといえば、そういった危機感に対して何かしよう、改善していこう的な感じがあるんですが、一方のロハスはライフスタイル寄りと言いますか、健康で持続可能なライフスタイルを、という感じがします。その辺りの地球環境から来る危機感とロハスの関係とはどうでしょうか?
大和田:  最近1つの結論を出したんです。まず、ロハスは健康で持続可能な社会を志向するライフスタイルといいますけど、健康〔ヘルス〕がキーワードで、人と地域社会と地球が健康な状態を目指すのがロハスの価値観であり、ライフスタイルじゃないかと思っています。
 エコロジーと言うと、どちらかと言えば、地球の健康にしか関心がないとか、範囲ではないという感じですが、ロハスの場合は人(心と体)と地域社会と、そして地球までなんです。特に日本は、今その部分において健康ではない状態にあるのかもしれないですね。そこを包含する考え方だと思うんです。やっと気がついたんですよ(笑)
和田:  今さらながらに(笑)
大和田:  いえ、これは気がついてしまえばなんて事ないんですが、言葉を字面通りに言っているのと、それはどういう意味なんだろうと折に触れていつも考えていたら、ある日突然閃いたんです。
和田:  エコロジーというとストイックな部分が必要な感じがあります。節制するといいますか、何においても程々という意味で節制するっていう事は、とても大事な事だと思います。ただ、ロハスというのは、以前井手さんとのお話でもあったんですが、やはりワクワク楽しく関わっていく感じがありますよね。
大和田:  私も20年近く環境問題と消費生活のかかわりとか、社会・環境問題を改善する活動に取り組んできた訳ですが、環境の世界はどちらかというとストイックなイメージが強くあまりポジティブな感じはありませんでした。私が以前いたボディショップの場合は、パッションやポジティブが合言葉でしたから、そういう意味では、ロハスに近いのかもしれないですね。
和田:  意識の高まりが、本当は贅沢したいし、本当は、思いっきり好きなように資源を使ってみたい、節制する事無く自由に好きなように暮したい、という感じが良い人もいますよね。その人達からすると我慢をしなくてはならない世界になるわけでしょ。それと同時に、それに不快感を抱く人達もいて。その不快感もこうしなきゃいけないという義務感ではなくて自然にいたわりあえたり、共存共栄的なニュアンスを、自然に選択できる人達も多いと思うんですよね。だから節制という意味ではエコロジーにおいて、つらい部分が出てくる人もいるかもしれないけれども、ロハスの切り口では、両者の選択の価値観を与えているような気がしますよね。
大和田:  さっきも言ったように、清貧の思想ではないし、人は、その時期によっていろんなものを使う時期がある訳ですが、そういうことはずっと続かないわけだから、いつかやめようと思う時がくるかもしれない。そういう意味では説教くさくないですよね。
 おそらくロハスを考えた人達というのは、元々ヒッピーの人達でしょ。自分達の考えが受け入れられて、メインストリームにしなくてはいけないと考えた時には、デザインとかおしゃれな感じとか快適、楽しいという要素をいれないと、メインストリームにはなれないと考えたんでしょうね。だから、私がロハスの会議に行った時に、例えば、集会場ではなく、ホテルの会議室でていて演出も洗練された感じで新しさを感じました。スローと言うと、スローライフとかスローフードとか、日本でもロハスの前に関心を集めた言葉ではあるけれども、なんだか、スローだとゆっくりし過ぎる感じなんですよね。
 都会に住んでいる私からすると、ロハスの方がしっくり来る言葉だった部分もあります。
和田:  エコロジーを意識していない人を批判して、やるのかやらないのかと突きつけるのではなくて、生活の中に少ずつ取り入れていくだけで社会に受け入れられていく方が、社会全体の平均値としてはムーブメントを起こせる気がするんですよね。
大和田:  例えば、遠くから運んできた野菜と自分家の畑で作った野菜とどっちがおいしいのかと言えば、取れたてを食べられる自分の家の方が美味しいわけですよね。
 野菜は工業製品かの様に私達はいつの間にか思うようになってきましたから、それは普通の人でも受け入れられる事だと思うんです。オーガニックの野菜というとエコロジーの人もロハスの人も共通点になりますね。
和田:  そうですね。

自分で買う物には、自分で責任を持つ。
和田:  先程、大和田さんはロハスを日本に初めて紹介した人として紹介しましたが、どういうきっかけでこのロハスに関わるようになられたんですか?
大和田:  私が、イースクエアという環境コンサルティングの会社にいた時に、アメリカの社外取締役がいたんですね。彼が、たまに日本に来ていろんな話をする時に、アメリカで今新しいライフスタイルが登場していて、それが、「カルチュアル・クリエイティブ」というんだと。その人達に対して、新しいビジネスコンセプトとしてロハスという言葉が出来ていて、それをテーマとしてのビジネス会議が年に1回あると聞いたんですね。
 なぜか、その時に直観的にすごく行きたいと思いました。私は元々百貨店や流通業で仕事をしていた時代が長くて、次のトレンドはどう作られるのかという事にいつも興味がありました。それでアメリカのトレンドは大体3年位して日本に入ってくるでしょ。それと、昔からアメリカのカウンターカルチャーが好きで、70年代の「ホールアースカタログ」というのがあって、当時ヒッピーの人達がしてるオルタナティブな事や思想もとても好きだったんです。
 NYのようなものと、アースカタログのようなものが私の中には混在していて、アメリカの新しい動向はウォッチしていました。そういう素地があったから、新しいライフスタイルが誕生していて、カルチュアル・クリエイティブと呼ばれていて、新しい文化を創る人たちだよ・・・といわれて、どんな人が?と聞くと結構社会派の人達だというから、ますますそれはちょっと聞きに行かなくてはと思ったんですよ(笑)そういうノリですね(笑)
和田:  もしかしたら、大和田さんの中に、昔から入り込んでいた情報にヒットしたものが、ひとまとまりになってありそうだと思ったわけですか ?
大和田:  そうですね。
和田:  それが2002年でしたよね。
大和田:  多分、その言葉を聞いたのは6年前だと思うんですよ。2002年の頭ぐらい。
その年の会議が6月にあると聞いて行ってきたわけですから。
和田:  元々のお仕事は、環境コンサルタントの前がボディショップですか?
大和田:  はい、7年間。その前が東急総合研究所で、これはシンクタンクなので環境問題と消費生活がテーマで調査したり、“コーポレート・シティズンシップ”という言葉があって、企業市民と言いますけど、企業がいかに社会貢献活動をするのかなども調べていました。その過程で英国の化粧品会社ボディショップを知って、社会性と収益性を両立させている素晴らしい会社があるんだと思いました。そして、ボディショップのストーリーにも感動しまして、当時は先進事例として、しばしば色々なところで書いたり話たりしていました。
 それが日本に出来て、たまたま初代の日本の社長になった方と出会うきっかけがあり、ぜひ働きたいと志願してしまったんです(笑)それが東急グループからイオングループに転職した時です。
和田:  7年はかなり長いですよね。
大和田:  でも東急グループには十数年いましたからね。
和田:  歳がばれちゃうからあまり言わないほうがいいですかね(笑)

和田:  結果的には、ロハスという言葉がなかったにしても、健康と持続可能な社会を目指すという軸はずっと続いていますよね。
大和田:  私の中では、どちらかと言うと企業とか消費生活が、どうすればもっと環境負荷を減らせるか・・・これがずっとテーマでした。それを広めるには、お洒落でなければならない、デザイン性が高くなければいけない、と感じていました。それを実践していたのがボディショップだったんです。ポスターもすごくお洒落だったし、パッケージなどもデザイン性が高かったし、原料も植物や野菜・果物などで、フェアトレードとか動物実験はしないとか、当時としてはコンセプトが非常に新しかったわけですよ。
和田:  少し攻撃的な所もありましたよね。
大和田:  そう!アグレッシブね。それもまた個人的には好きでね(笑)
 そういうこともあって、ロハスのコンセプトにある“ヘルス”というのは、ある意味私にとっては新しい概念なんですよ。あまり突き詰めてヘルスという言葉を考えた事がなかったんです。それで、つらつら考えるに、心と体の健康とか社会の健康とか、健全なビジネスなどと、ヘルスはそういう意味での健康なんですよね。あるいは、西洋医療に頼らないヘルス、健康維持とか予防とか。次は、精神性ですね。それはまだまだこれから学ばなくてはならない領域ではあるんですけど。
この話、知ってますか?去年は、食品関係の偽造が相次いだ、その前は、耐震偽装、今年は何かというと年初から紙の偽装、エコ偽装でしたね。私もメルマガに書いたんですが、今は社員からの内部告発もあるし、DNA鑑定とかで分かるらしいのよね。
大和田:  DNA鑑定までするんですか?
和田:  木材のDNAがわかるんです。
和田:  ニュースで見たのは、高知の伊野町は紙の町なんですけど、工業試験場で実際に紙を溶かして、着色剤で古紙の割合を調べていましたね。
大和田:  そうそう。
和田:  今年はエコロジーの偽装が、次々に暴露されるんですかね?
大和田:  だから、今度出版した本の中でも書いてますが、ロハスビジネスをする5つのルールを作ったんです。1つ目が、経営者自身がロハスの価値観をもっていますか?です。
 結局ロハス層が増えているから、ロハスビジネスを少しやっとけみたいに小手先でされても、疑似ロハスだし、結局いいことにはなりませんからね。
和田:  大和田さんはずっと“オーセンティックロハス”と言われてましたよね。
大和田:  そうそう。これは、ロハス会議10回目の時に、ポール・レイさんが“オーセンティシティー”という言葉を使われたんです。特に、ロハスとかエコとか、嘘はだめなんです。
 もっと言うと、今回取材した中に『大地を守る会』という団体があって、そこの藤田社長は、基本的に、取引する農家は無農薬の栽培をしている農家なんですが、それだけじゃないんです。
 その人が、人間として信頼できるかどうかも問うとしてるんですね。少し話してみて、あるいは色んな意味で2〜3ヶ月も付き合えば人は分かりますよね。その中で、不誠実だとか嘘つきとか、そういう人とは取引しないということなんですよね。
和田:  結局、消費者は情報を信じるしかないんですよ。
 僕も、実は自宅である浄水器を使っていて、その浄水器の塩素の除去率とかがすごく気になったんです。うちのは中空糸式フィルターなのでどうなのかと思い調べたら、ちゃんと鉛と塩素はほぼ100%除去されることが分かったんです。
 ただ、1年間12t位水を使うと精度は80%位になるので早めに交換をしてくださいと言うわけです。でも、具体的なグラフや数値を大手企業にも関わらず、どこにも乗せてないし、出してはくれないんです。結局、信頼できる会社はどこまで行っても信頼できるデータがあって、言葉だけでは無理な時代になってきています
 から、企業としてはある意味でめんどくさい時代になってきていますよね。
大和田:  だけどね、ある意味当たり前と言えば当たり前なんです。今までの日本の広告代理店が陳腐化させろとか、捨てさせろという企業の言いなりで、その通りのコピーとかコマーシャルを作り続け、消費を煽ってきたわけでしょ。ナショナルブランドのメーカーはその通りに物を作ってきたり。それにある種、乗ってきた所があるから。
 私は、90年代のアメリカの「ショッピング・フォー・ベター・ワールド」というお買い物のガイドブックをバイブルとしていました。それによるとこの商品は、環境に配慮しているとか、動物実験していないとか、これを作っている企業は女性の雇用がきちんとされているかとか、南アフリカに武器を輸出していないかとか、そういう項目でブランドなり企業を評価している本だったんです。こういう視点を、やはり消費者が持つという事が日本ではあまりにも少なかったと思うのです。ロハスの人達はそういう視点をちゃんと持ってるでしょ。それが4人に1人というところまで来たのかと思うと感慨深いですよね。
 だから自分の買うものは、自分で選ぶ、自分で責任を持つという姿勢が消費者にも必要だと思いますね。
和田:  その責任をもつ判断基準として、自分が情報を持っていればいいですけど、多くの人達は情報を持っていなくて、そこが不安じゃないですか?
大和田:  国民生活センターとか、消費生活センターとかそういった機関がもう少しちゃんと持ってる情報を、国民とコミュニケーションする必要がありますよね。普通にTVを見たり、雑誌を見るかの様に消費者視点で編集して、提供するようになればいいんですよね。だからお互い様なんですよ・・・。
和田:  消費者が厳しくなれば、結果的に企業も厳しくなるし、情報もきちんと出てきますよね。消費者が甘いともいえるんですね。でもJIS規格とかはどうなんですか?
大和田:  それはJIS規格があろうがあるまいが関係ないんですよ。牛乳でもあったでしょ。
規格をとっていても、結局ああなるんですよ。
和田:  まあ、それはそうですね。
大和田:  本当にそう思って会社を見ていると、例えば経営者がちゃんとHPで顔を出してるとか、経営者の講演会を聞きに行くとか、そして、ちゃんと自分の言葉で語っているかどうかとか、そうするとわかりますよね。やはり、見極める必要があると思います。
和田:  レストランガイドのミシュランのような、これは買っていいですよ的な物があればいいですよね。お医者さんでも、以前本が出ましたよね。口コミになるお医者さんガイドみたいな。通販生活なんかも社会派の雑誌でいいですよね。
大和田:  そうそう、扱う商品の基準も高いしね。
和田:  通販というより、半分以上は社会派の情報が多いですけど。

田舎には、田舎の進化のかたちがある。
和田:  今、地球温暖化は最大のテーマで、環境という言葉も今まで以上に取り上られていますが、特に去年はなんと“環境ビジネスウィメン賞”を受賞されましたね、おめでとうございます!!
大和田:  本当に光栄ですよね。
和田:  これはどういった賞ですか?
大和田:  「エコジャパンカップ」という環境関連の賞があって、エコ関係の団体、企業、個人などを応援していこうという意味合いのもので受賞しました。去年は、LBA(ロハス・ビジネス・アライアンス)を作ったので、まだまだ認知がされてない分、その関係の方には知っていただきたいなと思ってエントリーしたのです。
和田:  今度、環境省の委員にもなられたんですか?
大和田:  元々環境ビジネスウィメンは、小池百合子さんが環境大臣だった時に環境ビジネスに携わっている女性の意見を聞きたいという事で作られたものだったんです。それが彼女の時が1期で、今年は3期目になるんですが、環境大臣が変わってもその制度は受け継がれているんです。今は、鴨下さんが環境大臣をされていますが、大臣との懇談会があって年末に環境省に行って意見交換させていただきました。
和田:  これからもちょこちょこと顔を出されるんですか?
大和田:  年度内にもう1回位あるらしいです。後は、環境ビジネスウィメンの1期2期の先輩方がおられ、たまに集まられているようです。そこには小池百合子さんもいらっしゃるので、年末には本物の小池さんにはお会いしてきました(笑)
 やはり小池さんもさることながら、日本の環境ビジネスをされている枝廣淳子さんとか、あるいは環境報告書を製作するコンサルティングをされているクレアンの薗田さんとか、いろんな委員を務められている埼田さんなどがいらっしゃるので、そういう方々と一緒に何か活動が出来たらなと思います。
和田:  最近の日本での活動はどんな感じですか?
大和田:  私は、これまでの集大成でもある『ロハスビジネス』という副題のない本を朝日新書から出版しました。いま、店頭で話題になっているはずです・・・笑
和田:  これは3冊目になるんですか?
大和田:  いえ、専門書な本をいれれば5冊目なんですが、ロハス関係では3冊目ですね。
和田:  雑誌等にはよく執筆されてますよね。
大和田:  そうですね。
 本を書いたりとか、内容に関する講演をさせてもらったり、個別企業へのアドバイスだったり。最近は、地方に呼ばれる度に、地域活性化や街つくりに興味を持つようになってしまいました。

和田:  大分県竹田市にも出没されているようですね。
大和田:  たまたまご縁があって行ってます。
和田:  これはロハスと言うよりも・・・・?
大和田:  典型的な農山村なんですね。人口も2万8千人だし。
和田:  村起こしですか?
大和田:  昔で言う村起こしです。昔の田舎は、都会を目指していましたが、今ではそれは全く意味をなさなくて、田舎には、田舎の進化系があると思ってるんです。竹田市には、まずコンビニがない!
和田:  いいですね!!
大和田:  素晴らしいでしょ!!
 それから湧水と呼ばれる湧き水が沢山あって、湧水の町なんですね。
 市町村合併で範囲は広くなりましたが、いろんな魅力がさらに加わっているので、その資源(宝)をいかに近郊の住民の方たちにその魅力をアピールしていくかを検討しています。
 それから、最近私が思うのは、農山村の方々は、私達に代わって山を守ってくれたり、田んぼを維持してくれているんですよね。山や田んぼは、いろんな機能を担っていて、田んぼも食糧生産するだけではなくて、野鳥の餌場の確保だったり。そういう生態系を、私達に代わって守ってくれているという認識なんです。だから、そういう人達に対して、都市に住んでいる住民として、彼らの生活を支援するような何かが出来ないかなと思うんです。
 さっき話した消費者と企業の関係も、消費者が、企業が嘘をつかないように見張ってるんだというスタイルは辛いですよね。本当に望まれるのは、企業と消費者がお互いに信頼関係を持ち、共に何か新しい社会を作って行きましょうというパートナーシップだと思うのです。今回出版した本の中では、『大地を守る会』などまさにそうなんです。生産者と消費者を流通企業である『大地を守る会』がつないでいるんですれども、株主が2万人以上いて、それが生産者と消費者の会員なんですよ。こうなると生産者と消費者だけの関係ではなくなるでしょ。だから、共に好循環を作って生態系を守っていく輪が出来ているんですよね。ユタ州に本社があるミッチェル・メイの「シナジーカンパニー」も近い考え方をしていると思いますね。それが、これからの企業と消費者の関係になってくるんじゃないかと思います。
和田:  竹田市では、そういった取り組みをする計画はあるんでしょうか?
大和田:  そうですね。どのような特産物や地域の資源(宝)があるか探索中です。温泉と田んぼと湧水の町ですから農産物と観光にこれまでも力を入れてこられていますね。
和田:  由布院の近くですか?
大和田:  湯布院よりも、さらに九州の真ん中へ行く感じです。観光と農産物を加工した食品を中心にしていくんだと思います。
和田:  大和田さん自身も成城で野菜を作り、千葉の自然農法の野菜を宅配で利用されているんですね。
大和田:  ちばの野菜は見に行くだけだから(笑)いい野菜があれば買うだけですからね(笑)
和田:  そうですか(笑)でも、あちこち実際の現場を見て体験しないとわかりませんよね。
大和田:  そうですね。あと人相も見ないとね(笑)
和田:  企業の社相もね(笑)空気も大事ですよね。
ロハスビジネスは面白い!
和田:  先程もお話がありましたが、朝日新書から『ロハスビジネス』という本が出版されました。水津陽子さんと共著ということですね。
 井手さんと共同代表を務められているLBAなんですが、ロハス系の企業や起業家が集まって、いろんな情報交換をしている場所ですね。その中でもメディアスポンサーとして「ソコトコ」「オルタナ」「エココロ」の3誌も名前が挙がっていますね。
 ところで、一般の方に対するライフスタイルとしての『ロハス』の入り方の情報が多い中でも、大和田さんはユニークな気がするんですよね。外部に情報発信している人としては、ビジネス面の経験が非常に強いですよね。今回の本はそういった企業事例がベースになっているんですか?
大和田:  本の帯にも「地球が良くなる!利益も上る!」と書いてあるんですが、事業を通じて社会・環境問題を改善すればするほど、利益が上るというのが、これからのビジネスモデルだと思うんです。
実はあまり語ってないんですが、過去仕事をしていた企業が他に1社あって、それがソフトバンクインベストメントのグループで、北尾さんが会長をされていた会社だったんです。
和田:  北尾さん?
大和田:  かつてホワイトナイトと言われた、堀江さん事件で、救世主的な存在で出てこられた方です。
和田:  そういえばいらっしゃいましたね。
大和田:  SBIの方です。私が直前までいた会社は、ソフトバンクインベストメントが投資している会社だったんですが、それは、一言でいえば上場しなければならない会社だった訳です。
 私はビジネスの世界でずっと来ましたから、株式公開というものにマーケティングの立場から体験できたらいいなと思い、その仕事をしていました。もう少し詳しく話すと、イギリスにあるカーボンオフセットの「ザ・カーボン・ニュートラル・カンパニー」という企業があって、最初にそのプログラムを日本で取り入れた会社なんです。その会社がプログラムを導入する時のPRをしたいから、協力してくれる会社を知らないかと聞かれて、私がうちでやりましょうか?と言ったことがきっかけで、結局、私がそちらの会社に転職してしまったわけなんです。
 そこは、やはりソフトバンクインベストメントですから、いわゆるビジネスビジネスの世界ですよね。私が過去いたボディショップもイースクエアも、東急、イオングループにしてもスタイルが全く違いましたから、私にとっては異色の場所でしたね。
 でも、世の中のビジネスでは当たり前の世界ですよね。その中で今のビジネスはどうやって最小のコストで売り上げを上げているのかを色々調べた中でダイレクトレスポンスマーケティングを知ったり。いろいろ取り入れて実験をした3年8ヶ月があったから、私にとっては、ビジネスがよりリアルなものになりました。お陰でこれまでのエコ活動的な、売り上げを上げる事は二の次というような世界とビジネス的な世界が上手く融合出来た時期でした。、元々ロハスの原点もオーガニックなビジネスを、世の中の中心に持っていくにはどうしたらいいんだろうか?というところから始まり、その為には市場規模を算出したり、ロハスの考え方をもった人がどのくらいいるのだろうかとか、彼らに喜ばれる商品を作るには、どうしたらいいのだろうかとか、そういう消費者調査をしていたので、これは完全にマーケティングな訳ですよね。
 私にとってロハスは、今まで私がやってきた事に一番フィットしている事だなと思いました。井手さんは、十数年シリコンバレーに住んでいて、ライフスタイルがロハスだったんですが、私は仕事がロハスだったんでしょうね。
和田:  非常に面白いですね。
大和田:  以前書いた『日本をロハスに変える30の方法』という本には“ビジネスロハス”という副題がついていました(笑)。今回は、アメリカの事例は一切やめて、日本で実際行われているロハス的なビジネスを取り上げて分類化したり、共通項を探し出したり、あるいは、その事例が地域活性化で役立つのではと検討したり、そういった意味で、地域再生コンサルタントの水津陽子さんに加わって頂きました。色々考えていくと結局人と地域社会と地球の健康を目指すことがロハスなんだと私なりに結論が出たんです。
和田:  プライベートでお会いしている大和田さんは、ほんわかした雰囲気なんですが、今日は全く雰囲気が違いますね(笑)
大和田:  違うんです。私は普通に人に会う時には、講演会に来てくださったり、本を読んでくださったりした方とお会いする事が多いんですが。そうすると、どちらかというと左脳派でクールなイメージを持たれることが多いんですね。だから、プライベートでお話した時などは、すごく気さくに感じるようなんです。和田さんの場合は、逆でプライベートから入っているので、今、ものすごくクールな印象をもたれたんだと思いますよ(笑)
和田:  僕は、あまり良く分かってない状態で関わらせてもらってますからね(笑)

カーボンオフセットはこれからのテーマ。
和田:  さて、LBAの活動で隔月1回セミナーをされたり、会員もどんどん増えていて、来期もさらに活動を続けていかれるんですよね。
大和田:  もちろん継続します。LBA(ロハスビジネスアライアンス)というくらいですから、ビジネスの提携・連携が誕生する事を目指しています。  12月にLOHASリフォーム会社のオクタさんと「イーココロ!」というクリック募金の会社が“カーボンオフクリック募金”というプログラムを始めたんですよ。これはLBAの中では初のビジネスアライアンスなのでこれを皮切りに取り組みが増えていくよう働き掛けたいと思っています。アライアンスが進んでいくと、この団体に入っていて良かったなと思える時が来ると思うんです。それから、会員の皆さんにはぎらぎらした所が無いんですよね。
和田:  確かにそうですね。
大和田:  あと、これもたまたまなんですが、オクタの山本社長と生活の木の重永社長と『オルタナ』という雑誌の森編集長と、LBAの個人会員でオーガニックな農作物を販売されている西郷さん、この方達がなんとバンドを組んでしまったんです(笑)エクスキューズというんです(笑)
 昨年の暮れに、原宿のクエストホールでライブをやるにまで至ったという(笑)そして、そこにキヨズキッチンの南さんというフード業界のカリスマの方まで加わったみたいですよ。いわゆるおやじバンドなんですけどね・・・笑。
和田:  でも、オクタの山本社長は、元プロミュージシャンだったでしょ。
大和田:  社長の皆さんが合宿したり、1日7時間も練習したりするんですって。でも、これもロハスビジネスの経営者の典型なのかな?と思ったりもします。もちろん、ある程度余裕が出来たから、だからやっている部分もあるでしょうが、若い時からやりたかった事を40代にやるなんてすごいですよね。
和田:  ロハス企業といえば、パタゴニアとか取り上げられますよね。『社員をサーフィンに行かせよう!』的な、社長自らがそういう場所にトライしてみるところがありますよね。
大和田:  だから考えてみれば、家と会社が1時間も離れている事は昔は無かったわけです。戦後になって、たった50年で形作られた企業での働き方が当たり前だと思われてるけれども、実はそれが窮屈で、ストレスを与える原因であったり。あと日本は、長時間労働だけれども、生産性はかなり落ちている。そういう時代になったのであれば、仕事はもっと気持ちが良くていいし、楽しくてもいいんだと、これがロハス視点のワークスタイルなんですよね。だから、LBAでワークライフバランスをセミナーのテーマに取り上げるのは、そういった理由があるからなんです。働き方の固定観念を変えて、自らが自らの自縛を解き放って、こういう働き方もあるんだって事を知って欲しいですよね。
和田:  スモールイズビューティフルのシューマッハも“成長していく事が進化ではない”
要するに無限成長が進化ではないと言っていますよ。
 豊かさも限りなく物質的にあり続ける状態は進化の果てではなくて、やはり植物にしても生物にしても必ず限度があると思うんですよね。ずっと拡大、成長なんて無いんだから、それよりは質的な向上や違う意味での豊かさへ価値観が移ってきている時代ですよね。
和田:  国の繁栄の指標は、やはり今でも経済成長率ですよね。
 経済が成長すればするほどどうなるかというと、ゼロサムゲームなのでどこかが貧困になっていたり、資源が奪われたりしている現状がある。だから経済成長率でものを推し量るのではなくて、新しい価値観の機軸がもうそろそろ出てこないといけないんだろうなと思います。
大和田:  あることはあるんですよね。やはり為政者は使いたがらないところがありますよね。
和田:  国や政治はともかく、企業自身が誠実で自社の哲学をもってやれば一番簡単で早いと思うんですよ。
大和田:  従業員自体がもう、嘘をつきたくありませんと言って、これだけ内部告発があるわけでしょ。経営者は、嘘をつきとおせると思うかもしれないけれどそれは続かないですよ。実は本人も嘘をつきながらやっているといつか破綻すると心の中で思っているはずですよ。
和田:  そうですよね。
 最近は、そういう意味ではいつ社員が告発するかって、ひやひやしてる経営者が多いでしょうね(笑)
大和田:  だから、従業員だって正直な会社に勤めたいんです。昔は、会社の価値観と自分の価値観が別で当たり前でしたが、特に、今ロハスの価値観に共感している人達は自分の価値観と会社の価値観はイコールであって欲しいし、そんな会社に勤めたいと思っていますよね。そういう人は確実に増えているはずですよ。
和田:  嘘の経営に加担したくないですよね。
大和田:  後は勝ち組とか負け組みとかそういう表現も使いたくないですよね。
和田:  それぞれが、それぞれであっていいわけですよね。
大和田:  そうですよ。
和田:  今回の本を読むとそういったところも踏み込んで感じることができるんでしょうか?
大和田:  今お話した企業が出ていますから、企業と消費者の新しい関係とか、嘘をつかない経営とか、或いは豊かな成長だったり、新しい経営やマーケティングの考え方がそれぞれの事例から抽出されていると思います。それを5つの黄金ルールとしてまとめてあります。
 後、LBAでは5つの基準があって、それを理事の森さんが数値化してくれたんですよ。あれを毎年会員の皆さんにはセルフチェックで自己申告でやっていただこうかと思うんです。
和田:  数値をはずれたら退会するとか(笑)
大和田:  そうそう!ただ、最初に入っていただいている方だから、3年の猶予ありで(笑)3年後からは退会もありますよ(笑)。あるいは、入っていただく際に、はじめから自己申告で、チェックしてもらったりしてもいいかなと思うんです。結局、みんなで自分達を成長させていきたいんですよ。だから、今入っている企業の方達にしても、完璧な人達なんていないわけで、それは自分たちも分かってるわけです。だけど、私は苦言を呈して言うんです。言い続けていると何年かすると、彼らは取り組んでくれるんですよね。
 誰かに言われるから行くのではなくて、自ら気がついて進んでいくような団体にしたいんですよね。
和田:  そうですね。

大和田:  後は、カーボンオフセットのような新しい分野の事業が立ち上がって、それをみんなで応援したり、それも面白くて意義深いことですよね。
 もっとやりたいのは、カーボンオフセットキャンペーンを会員企業全部でやりたいですね。というのは、カーボンオフセットという言葉自体が、まだ日本では認知が低いから、共通のロゴとかメッセージなどを決めて一斉に各社でやってもらう。そうすると、1社に1万人のお客様がいれば、100社で100万人のお客さんがいて、100万人のキャンペーンが出来るんです。そういう意味でカーボンオフセットとか、ローカーボン(低炭素)なライフスタイルを推進するキャンペーンはやりたいです。
和田:  カーボンオフセットとは、二酸化炭素の相殺ですね。必ず消費する、あるいは買ったり、物を送ったりした時には、必ず二酸化炭素を排出している。その排出分を計算した相当を加算して代金を支払うという意味合いですね。
大和田:  そうですね。電気を使ったり水を使ったり車を走らせたり、そんな時、CO2を排出しているので、それをまず、どれだけ自分が排出しているのかを知りましょう。そうすると減らしたいと思って、燃費をよくしたり、省エネしたり、少しは減らせるんですよね。それでも、やはり出しているわけです。では、それをゼロにする為には、いったいいくらかかるのか?それを、お金として相殺する、これがカーボンオフセットの考え方なんですね。そういう新しい考え方のビジネスが欧米ではあったんですが、日本では昨年からそうしたサービスを提供する会社が立ち上がりました。
 新しい考え方ですから、何ですか?それでどうなるんですか?払ったお金はどこにいくんですか?など質問が来て、私も最近それは途上国で自然エネルギーの基金を設置するお金に使われたりするという話を聞いて、それはいい考え方だと思うようになったんですが、最初は出口が分からないし、本当にそこに使われたかどうかも分からないから、はっきりさせないといけないんですよ。今回の年賀状だってそうでしょ。
和田:  すごい金額だったでしょうね。
大和田:  でも目標の14%しか売れなかったんですって。
和田:  そうなんですか?
大和田:  実は、今年の新商品にディズニー年賀状もあったそうですよ。ねずみ年だからミッキーだったようですが、これも目標の14%しか売れなかったんですって。という事は、両方とも同じ%という事は、全く知られていないコンセプトだったカーボンオフセットの年賀状は、結構検討したと思っているんですよね!!
 でもいずれにせよ、目標の14%というのはビジネスにおいてはあるまじき事ですよ。今度、担当者に取材にいってどういうマーケティングプランをもって、何をしていたのかを聞いて、来年も継続させるための提案をしてこようかと思っていようかと思っています(笑)
和田:  民営化もしましたしね。
大和田:  そうそう、普通の企業だったらありえないですよ。
和田:  体質の問題もありますよね。
大和田:  でも、残った86%の葉書はどうしたんですか?と聞きたいですよね。
和田:  まあ、捨ててるでしょうね。
大和田:  廃棄したのか、リサイクルしたのか。
和田:  その分、カーボンオフセットが吹き飛んでしまいますよね。カーボンオフセットというならば、その処理のオフセットをどこかでしなくてはならないですね。
大和田:  日本郵政グループのカーボンオフセットのホームページには、ロハスという新しいライフスタイルがあると書かれていました。だから、ビジネスならビジネスらしくちゃんと考えて効果を上げるようにする必要があるんですよ。
和田:  やはり、大和田さんがロハスのお目付け役になる必要がありますよね(笑)
大和田:  後は、ロハスがやりたいんです!という企業のお手伝いがしたいですね。
和田:  そうですね。本当は、もっともっと大和田さんが出て行かなければならない、もしくは、多くの企業経営者が指針としてもらいたいですよね。
大和田:  衣食住から、街づくりまで全部ですからすべてには関われないんですが、ロハスブームは一昨年からですよね。その時は、大企業は調査したり事業化を進めたところもあると思うんですが、ここ『アグリス』なんかも私が素敵ですね、ロハスらしいですね、って言うと、ちゃんと私の本を読んで研究しましたと答えてくれる場所でした。ですから随所がロハスなんです。そういうビジネスには上手くいってもらいたいですね。
 それから、ここに来て流通とか町づくりの開発会社など大企業が次の新商品や主力商品をロハス化したいんです!と意思表明をしてきてるんです。後1年くらいするといくつか形になってくると思います。

どういう社会に住みたくて、その為に自分は何を貢献するのか。
和田:  最初のロハスムーブメントは、ファッションのようなライフスタイルとして捉えられていたものが、本当に一般企業に少しずつリアリティをもって浸透してきてますね。消費者も普通に選択したらロハスな商品だった・・・みたいな現象が起きますよね。
大和田:  ロハスという言葉は使わなくてもいいと思うんです。ただ、それに関わっている人や地域社会や地球が幸せですか?そんなものづくりをしていますか?そこだと思うんです。
和田:  今後のロハスは、どんな広がりを見せていくでしょうね?
大和田:  私の考えている事に共感や賛同してくださる方を増やし、かつ具体的な事例を企業や自治体に実践してもらって、それが上手くいく。それしかないと思いますね。
和田:  先程言われていた、ロハスという言葉は使わなくてもいいとおっしゃいましたが、それが理想だと思うんです。そんなの当たり前の話だからわざわざロハスなんていう必要がない状態がベストですよね。
大和田:  ロハスの考え方に基づいていれば、商品名もプロジェクトもロハスじゃなくてもいいんです。
和田:  そうですね!まだまだこれから、始まったばかりですからぜひ浸透させていければいいと思いますね。少しテーマは大きいんですが、地球温暖化のことや環境問題や飢餓の問題など深刻なことが世界各地で起きていますが、ロハスの観点からこれからの世界はどうでしょうか?
大和田:  やはり温暖化というか、世界の平均気温が2℃上ることを食い止めることが可能だといわれている時期は10年後くらいまでだと言われているんです。そこを過ぎると、もう後戻りできなくなってしまうんだそうです。そういうこの10年間に巡り合わせてしまったし、知ってしまったからには放っておくという選択肢はないと思うのです。やはり自分達の責任というか、何とかしようとする事は、消費者でも出来るし、事業を通じても出来るんです。それが技術(エコ・イノベーション)だったり知恵だったりするわけでしょ。逆にそういうチャレンジするチャンスに恵まれた私達という捉え方をしています。
和田:  逆説的にね。
大和田:  だから、やらなきゃいけないんです。あなたは何をしますか?という事なんです。
後は自分に出来る事は色々あるから、まず自分がやればいいんですよこれまで私達はこういう社会に住みたいとはあまり考えてこなかったでしょ。
和田:  ああ、そうですね。
大和田:  それをローカーボンの社会とは?低炭素の社会とは?のように、例えば、“活力のドラえもん型社会”というシナリオAと、トトロの“さつきちゃんとめいちゃんのゆとり社会”というシナリオBがあって、結局はその両方の組み合わせなんですけど、そういう50年後の世界が絵になったり、書かれたりするとイメージしやすいですよね。
 どちらを選びたいかと聞かれれば、中間もアリなんです。週末田舎で平日は都会で住みたいという住まい方ですね。そうやって、具体的にどういう社会に住みたいのかをイメージ出来るようになると現実化しやすいですよね。

和田:  エキスポ70の万博の世界までを僕は記憶している未来の理想像なんですが、あれが終わって、オイルショックとかバブル時代80年を突き進んでいきますよね。その頃に、本来のビジョンが無くなって、とにかく経済的に豊かになった先に何かをやろうとしてましたよね。大阪万博は、世界の調和と進歩がテーマでした。
大和田:  私は行きませんでしたが、愛地球博はいらっしゃいました?あれは本来あるべき姿を示してたんですかね?
和田:  示してなかったんじゃないですか?
 今は本当に大和田さんが言われるようにあるべき理想的な世界が国や企業としての形が無いから、一般の人がそれぞれで描くには精一杯、限界がきますよね。
大和田:  だけど、学校教育で“どういう世界に住みたいですか?”とか“どういう世界をつくりましょうか“という授業はないでしょ。そこが最初じゃないかと思いますね。
イースクエアの社長ピーター・ピーダーゼンさんと話していると、デンマークではそういった教育をする。どういう社会に住みたくてその為に自分は何を貢献するのか?どういう役割を担いたいか?を考えさせる授業をするそうですす。そこがぜんぜん違いますよね。
和田:  ロハスが特別なものではなくて、もっと多くの人達に自然な当たり前の生活になっていって欲しいですね。理想的な環境や生き方に目を向けていくビジョンを意識して欲しいなあと思います。今日は、情報一杯で、改めて勉強になりました!ありがとうございました。また、いろいろと教えてくださいね・・・笑
大和田:  こちらこそ、ありがとうございました・・・笑。
最新刊『ロハスビジネス』好評発売中
ロハスビジネス
ロハスビジネス
著者:大和田 順子、水津 陽子
出版:朝日新書
大和田順子/ プロフィール
LBA(ロハス・ビジネス・アライアンス) 共同代表
東急総研、ザ・ボディショップ、イースクエアなどを経て独立。
02年、日本に初めてロハスを紹介したことで知られる。
最新刊『ロハスビジネス』(朝日新書)では、“地球が良くなる、利益も上がる”を合言葉に18の国内ロハスビジネスと、7の地域活性化事例を掲載。
グリーンマーケティングの指南書として好評。



主な著書

ロハスビジネス
■ 著者:大和田 順子、水津 陽子
■ 朝日新書
日本をロハスに
変える30の方法−BUSINESS LOHAS

■ 講談社
ロハスの教科書−持続可能な社会をめざす新しい生き方
※ 残念ながらamazonからは購入できません。最寄の書店か、明治図書の通販ページからお取り寄せください。(送料無料です)



主なCD

ダントツ企業実践
オーディオセミナーvol.87
【取材後記】
 大和田さんは、活動、情報量共に、日本のLOHASを代表する一人だろう。LOHASの活動をする人もいろいろタイプがあって、まさに、ロハス的なライフスタイルを紹介したり、提案するタイプの人が多いのだけれど、大和田さんは、少し社会派、ビジネス派だ。
 彼女は、LOHASの全般についてのエキスパートだけれど、特に、ビジネスについては専門分野といえるかも知れない。LOHASは、時代のトレンドだけれど、最初は、ファッショナブルなライフスタイルとして浸透し始めた。
でも、本質は、ファッションではなく、ごくごく当たり前の生活や生き方のベースとなるものだと思う。
 大和田さんは、そうした考え方や価値観をビジネス分野に提案したり、紹介して、また、企業やビジネスの世界と商品やサービスを購入する消費者の間に立って、さまざまな可能性を研究し、アドバイスやコンサルティングをしている。
 LOHASは、特別なものではない。企業に関わる活動をしている大和田さんにとって、企業がLOHAS的な視点で、ごく普通に経営戦略に取り込んだり、経営の中に反映させていく姿を、ここ数年でたくさん見てきた。
 それは、実は、大和田さんが提供する企業事例やどうやって活かしていくかといったアドバイスが実を結んでいるに違いない。
 昨年は、「環境ビジネスウイメン賞」も受賞して、ますます活躍の幅が拡がっている大和田さん。
これから、どんな方向に進んでいくのか、友人としても楽しみだ。
 そんな大和田さんだが、プライベートの大和田さんは、とてもユニークで、天然系のおちゃめさんだ。
西に東に奔走して、日本のLOHAS企業を応援する大和田さん。身体だけは大事にしてくださいね・・・笑
いつも応援しています!!

記 和田達哉