コスタリカに平和省ができることになりました。
和田:  今日は、千葉県の鴨川に、きくちゆみさんを訪ねてやって参りました。
こんにちは! 今日はありがとうございます。よろしくお願いします
きくち:  はい。よろしくお願いします。
和田:  ゆみさんのことを知って、インタビューさせてもらうなら、ぜひ、鴨川を訪ねたいって思っていたんです。それが、ゆみさんのことが一番伝わるような気がして・・・
きくち:  はい。ようこそ・・・笑
和田:  実は、先ほど、近くのお知り合いのところに、ゆみさんとご主人の玄さんとご一緒して、れんこんの収穫に行きました。れんこん畑でどろんこになりながらお手伝いさせてもらいました。たくさん獲れましたね。れんこん掘りは初めての体験でした。
きくち:  日にちが合って良かったですね〜・・・いい体験だったでしょう。
和田:  楽しかったですね。それにしても、いいところですね〜のんびりして、のどかで・・・本当に山の中なんですね・・・この家も、築200年の古民家とか・・・
きくち:  そうなんです。いろいろ自分たちで住みやすいように改造していますが・・・
和田:  周囲は畑で、自然のまんま育てられていますね・・・とても懐かしい感じで、居心地がいいですね。
 そんな、きくちゆみさんのご自宅でインタビューをさせていただいています。
 さて、本題に入りたいと思います。先ほども少しお伺いしたんですが、いろいろと活動されていますが、ゆみさんの本業って何になるんでしょうか?
きくち:  本業というのをどういう意味で聞いているのかによりますが、現金を何で稼いでいるかということで言うと、本や記事の執筆と講演をすることが主な収入源です。その本のテーマや講演のテーマが環境問題だったり、平和とか戦争のことだったり、9・11や健康、ヒーリングといろいろです。今はローフードのことを書いたり、「包丁1本ロー」というコンセプトの料理教室もしているので、幅広い分野で書くこと、話すこと、イベントを企画運営することも本業です。
和田:  なるほど。中心的な活動は、グローバルピースキャンペーンと平和省プロジェクトですか?
きくち:  そうですね。先月(2009年9月)、コスタリカに行ってきました。各国の政府の中に「平和省」という機関を作って紛争を非暴力で解決していこうという運動が、今世界32カ国ぐらいに広がっていて、今回はコスタリカに40カ国の人が200人ぐらい集まって、第4回平和省地球会議をやりました。
 「どうやって平和省を作ったらいいか」「平和省はどんな仕事をするのか」「どうすれば実現できるか」などいろいろなことを話し合いました。私の普段の活動の中心は平和省のことばかりではないですが、今はコスタリカから戻ったばかりなので、「平和省」という言葉に対して私の心はワクワクしています。日本では「平和省プロジェクト」というグループがあって、主にインターネット上で意見交換をしながら、日本にも平和省を創設することを目指して活動しています。
 実は、今回の滞在中にコスタリカに平和省ができることが決まりました。世界で3つ目の平和省という名前のついた省で正確には「司法平和省」です。私たちの仲間でもあるコスタリカに在住のリタ・マリー・ジョンソンさんと彼女と共に活動する人たちが、10年以上に渡って平和を実現するために様々な活動を続けてきました。それが今回、コスタリカ政府の中に司法平和省(司法省が司法平和省に改変)が創設されるという形で実を結び、とても嬉しいです。

和田:  平和省と最初聞いて、平和賞かと思ったんですね。ノーベル平和賞のような賞だと。
きくち:  ああ、やっぱり!日本語はそれで損をしているかもしれませんね。みんなにノーベル平和賞と同じ「賞」だと思われてしまいます。「防衛省とか環境省とかあるでしょ。それと同じ平和省です」って説明し直さないと理解されないですね。人間が二人以上いれば、必ず意見の違いや争いごとはあるし、国と国の間にはこれからも紛争はあるでしょう。でもそういった争いごとを非暴力で平和的に解決することを推進する政府の一機関として平和省の設立を私たちは求めています。
和田:  そういう省ができると、すごいですよね。
きくち:  うん。だって今は国家間で紛争があると、経済制裁で脅したり、最後は暴力(武力)に訴えるしか方法がないんだもん。最初はたとえば経済封鎖するでしょ?経済封鎖して「おまえ、言うことを聞け、言うことを聞かなかったら戦争だ」って、今度は爆弾を落としちゃうわけですよ。今の対テロ戦争だってそう。すごく暴力的で野蛮ですよね、今の人間社会は。まあ、国際紛争の解決は暴力に訴えるしかないのか、ってあきらめていた部分もあったのだけど、世界で平和省という運動に関わっている人たちは、もっと違う解決法を目指しています。たとえば、お互いのニーズが何なのかっていうことをとことん追求していくんです。ニーズは、それぞれに石油や資源が欲しい、あるいは豊かさがほしい、ということかもしれません。石油がないから戦争して奪ってきてもいいのかというとそうじゃないですよね。もっと話し合って、値段をちゃんと決めて、石油は枯渇する資源だからもっと大事に使おうとか、もっと値段を高くしようとか、ね。もっと大事に使って世界中に分け合おう、未来世代にも残そうとか、別の枯渇しない再生可能なエネルギー源に投資して、移行しようとか、いろいろなストラテジーが出てくる。そんな風にして紛争を解決することを推進するのが、たとえば平和省の仕事なのかもしれません。
 今はアメリカが「石油を一人占めしたい」と言って、サダムフセインが邪魔だから、「大量破壊兵器がある」って嘘をでっちあげて、戦争をしかけて、人をたくさん殺して、石油を奪って、今もまだ泥沼の戦争をやっている。そのきっかけが9・11事件です。その9・11事件だって、本当の犯人はまだ誰だかわかっていません。このようなものすごい暴力の時代や、暴力がものをいう時代をもうそろそろ終わりにしたいですよね。そのためには平和省という機関が政府の中にあると良いんじゃないかと、平和省の運動に関わっている人たちは思っています。
和田:  何だか、本来は当たり前なことのように思うんですけど・・・
きくち:  そうですよね。友達同士だったら、言うこと聞かないからって、すぐ暴力に訴えたり、まして殺すなんてことはしないですよね。
和田:  しないですよね。コスタリカは軍隊を持っていないですよね。
きくち:  そうですね。
和田:  当然、小さな国なんでそういうことも可能なのか・・・それでも一つの国家として、それを実現しているし、何しろ・・・
きくち:  平和省を作ったということがすごい!
和田:  他にも平和省がある国はあるんですか?
きくち:  はい。ソロモン諸島、それからネパール。
 ネパールも長年の内戦の末なんですね。泥沼の内戦があって平和和解省だったかな?「平和」という名前がついた省ができました。ですから、コスタリカは世界で3つ目ですね。でも例えば、市町村とか県のレベルの平和局というような部署は、世界中にあります。国家機関の中の大事な位置づけとして司法省を「司法平和省」にしたコスタリカの先見性に感動しています。平和憲法を持ち、実際に軍隊を廃止している国なので、言動一致しているから信頼できますし(日本とは違います)、小国ながら世界に対す説得力がありますね。

世界の軍事費の半分がアメリカ。
きくち:  今、対テロ戦争というものに日本も参戦しているわけですよ。
 アメリカの同盟国として、「テロとの戦い」に参加しているじゃないですか。
それで、テロが減ったり、より安全になったでしょうか?
和田:  なっていないですよね。
きくち:  どう見ても逆にテロが増えてしまって、貧富の差がさらに広がって、その貧富の差が開けば開くほど政情が不安になって、さらに暴力が増えてしまう。日本だったら若者の仕事がなくて、自分の未来に希望がもてなくなって、絶望してしまう。すると自暴自棄になったり、自殺が増えたり、あるいは排他的になって、例えば中国人や朝鮮人への差別や社会的暴力が増えたりしています。9・11以降、日本が対テロ戦争に参戦してからの方が、社会の不満が大きくなっているように感じています。テロとの戦争をやったからって決してテロ(そしてテロへの不安)が減ってもいないし、社会が良い方向に向かっていません。
 「テロは戦争では解決しないから、もうやめよう」って私は言いたいです。8年もやって上手く行かなかったんだから、もう軌道修正してもっと違うアプローチでテロ解決に取り組もう、って。世界で平和省を作ろうとしている人たちが「フレッシュアプローチ」とよく言う方法です。テロを起こす人たちが、どうしてテロリストになったのかを新鮮な目で調べていくと、その背後には生きることもできないくらいのひどい貧困や抑圧や差別の状態に放置されている事実があります。そして希望がまったくないまま育った人たちが、リクルートされてテロリストに養成される、ということもあります。
和田:  うん。
きくち:  生きることもできない(実際、多くが若くして死んでしまう)、改善する希望もない極度の貧困状態に置かれている人たちが、この地球上にはたくさんいます。彼らが人間らしく生きられるように変えていくことが、たとえばテロをなくすことだと思うんですよ。
 世界中の極度な貧困をなくす活動に必要な費用は軍事費より遥かに少ないです。ミサイル一機が何億とかするじゃないですか。今世界の軍事費が1兆2千億ドルも。日本円にすると1ドル100円として120兆円!!桁外れのすっごく大きなお金・・・
和田:  北朝鮮のミサイルの問題で、万一の迎撃のために、市ヶ谷の自衛隊にパトリオットミサイルを配備してましたね。あれ、一発撃ったら3億とか聞いていたんですけどね。ひとセットのミサイルシステムは1000億とか聞きましたが・・・
きくち:  戦争とその準備のお金、まあ「防衛予算」と呼ばれますが、それはすごいお金ですよね。例えば、北朝鮮がなぜあんなことをするのかというと、あの国はでは多くの人々がとても餓えていて、貧しいのに、国家予算の多くを軍事費に使っているという状態ですよね。ものすごい独裁政権で、国民には何も情報がないし、選択の自由もないわけですよね。北朝鮮の報道は大本営発表しかない。なので、市民と何とか繋がりを持って、その人たちが正しい政治が選べるような支援をするとか、まず食べられるようにするとか、そっちの方がミサイル防衛するより全然いいですよね。
和田:  そうですね。
きくち:  1000億円のミサイルシステムが仮にうまく作動したとして、死ぬのは北朝鮮の人々じゃないですか。独裁者の金正日(キム・ジョンイル)が死ぬわけじゃなくって、何にも知らないで独裁政権の中で暮らしている一般の人が殺される。一般の人を殺すためにお金を使ったってしょうがないって、私は思うのね。どこの国でも、特権階級は戦争になっても殺されないです。
和田:  アメリカも国家予算の中で、軍事費は確か半分くらい占めてますよね。
きくち:  55%くらいだったかな。私が監訳した『戦争中毒』が強調していることは、国家予算の中には、自由裁量予算と自由裁量じゃない予算があることです。自由じゃない予算は、国債の利払いとか年金とか・・・そういうのは始めから国家予算から国債の利払いとか年金を除く。
和田:  はい。
きくち:  残りは議会で議論して決める予算。それを自由裁量予算と言いますが、その自由裁量予算の55%は軍事費ですよ。ものすごい軍事国家ですよね、アメリカは。
 一見、そういう風に見えないけれど、実はものすごい軍事国家です。軍隊を持っている国は百何十ヶ国もあって、国連加盟国のほとんどの国が持っているわけだけど、アメリカ一国で世界の軍事費の半分以上になります。
和田:  すっごいですね。
きくち:  ものすごい金額です。世界の軍事費の大半はアメリカの軍事費であり、最大の問題はアメリカが世界で展開している軍事活動です。アメリカの軍事予算がそんなにすごいってことをみんな知らないし、世界の軍事費の半分がアメリカだっていうことも知らない。世界中の人が束になってかかっても、アメリカには敵わないわけですよね。産業の軍事依存度も高い。それだけ軍事費を使うっていうことは、どれぐらいの資源を軍隊のために使ってしまうのか。
和田:  それは、イコールですよね。
きくち:  ものすごい資源ですよ。石油のために戦争しているのに、軍隊そのものがめちゃくちゃ石油を消費しているんです。それって、ちょっと節約して省エネして頑張れば戦争しなくても、そのぶん全部浮くのにって、言いたくなる。戦争で莫大な量の石油を使っちゃうんですよ。戦争と軍事演習をなくせば温暖化なんて防げますよね(ただし、温暖化が二酸化炭素が原因だとした場合の話です。これは本当かどうか更なる議論が必要)。
 しかも、戦争は人を殺します。20世紀の戦争で犠牲になった人は、ほとんどが民間人です。兵隊と兵隊が争っているというわけじゃないんですよ。テロリストはどこに隠れているか分かんないって言って、一般の民家に入って来て、誤射して家族みんなを殺しちゃってますから・・・今行われている対テロ戦争では、一般人で殺されちゃった人は、さらに多いでしょう。正確な数字は誰にもわかっていませんが、一説ではイラクだけで100万人以上殺されていると言われています。正確な数は誰も知らないというところが、また恐ろしい。
和田:  へえ〜
きくち:  少なくとも65万人と言われていて、多い方の数字では200万人って言う人もいる。ともかく、めちゃくちゃな殺人をしているんですね。その始まりが9・11事件なんですよ。
9・11真相究明国際会議
きくち:  9・11事件とイラクは何の関係もない。アフガニスタンはほんの少しあったかも知れない(オサマ・ビンラディンやアルカイダが犯人だったとして)と最初は信じていたけれど、私は今では関係なかったと思っています。でも、当時はアフガニスタンに逃げ隠れていたビンラディンが9・11事件の首謀者ということにされて、今もそれが公式説になっていますね(FBIは認めてないけど)。そして今度もアフガニスタンにオバマ政権は増派をしています。しかし、私を含む世界の多くの人たちは9・11事件の犯人は違うと思っているので、9・11真相究明国際会議というのを毎年開催しています。
 私たちが聞かされている9・11事件の話の中にはどう考えても、つじつまが合わないことがいっぱいあるんです。私たちが目指しているのは、もう1回ちゃんと独立した調査をしようということ。ブッシュ家の息がかかっている人たちがやる調査ではなく―それでは、泥棒が泥棒を検査しているようなものだから―全く独立した利害関係のない人たちでちゃんと調査をして欲しいということを、オバマ政権に訴えています。9・11真相究明運動は今や世界各国の主な都市にはたいていあります。
和田:  最初のスタートは、アメリカからですか?
きくち:  どうかな?フランスのジャーナリストがいち早くあの事件のおかしさを指摘しました。ペンタゴンに突っ込んだボーイングがないよ、って。今はアメリカの中にやっている人たちがたくさんいます。私は2004年に『9・11ボーイングを捜せ』というDVDを翻訳したことがきっかけとなって、2006年に「9・11真相究明国際会議in東京」を呼びかけました。
和田:  それは、いろいろやってるうちに、そういう人たちと情報交換したりしながら?連携してやって行きましょうみたいな。
きくち:  はい。そうです。今、世界中で9・11事件はやっぱり何かおかしいと思っていた人たちが、どんどん繋がっています。ヨーロッパともオーストラリアもアメリカともそうだし、イスラム圏の人たちも繋がり始めたし・・・
和田:  ゆみさんのブログなどを見させていただくと、建築家、リチャード・ゲイジさん。
きくち:  彼のすごいところは、900人の建築家とエンジニアの仲間を束ねていることですね。彼は創始者であり、その代表です。あの日崩壊したワールド・トレードセンターの3棟のビルの調査をしています。
和田:  あのビルが、崩壊するわけがないという・・・
きくち:  そういう風に彼らは結論を出しましたね。飛行機の激突の衝撃と火災だけでは、あのように崩壊しない、と。リチャード・ゲイジさんたちの「9・11の真実を求める建築家とエンジニアたち(ae911.truth.org)」の素晴らしいところは、いろんな建築家やエンジニアの構造計算とかもできる人たちの意見をまとめていることです。それが今や1000人に達しようとしている。その人たちは、それぞれ世界貿易センタービルの崩壊が不自然だと思っていても、アメリカでは言えない雰囲気が長年あったんですね。そんなこと言ったら、非国民って言われちゃう。いわゆる「愛国者法」というのができたので、愛国者じゃないと思われたら、ただちに逮捕されちゃうかもしれない。
 愛国者法は9・11事件の直後に可決したのですが、簡単に言うと当局に「お前は愛国者じゃない」って思われるたら逮捕されるような、めちゃくちゃな法律です。それでみんな恐ろしくなって、黙っちゃっいました。
 9・11に関してそういうことを言うと仕事を失うとか、脅されるとかいろんなことがあって、実際にジャーナリストで9・11事件を追っていて番組から降板になったり、仕事を失ったりした人も多数います。それは、9・11事件の政府公式説明のおかしなところや矛盾点を追求したばかりに降ろされちゃうんですね。
和田:  へえ〜
きくち:  そうなると、妻も子も養っていけないとか、生活も困っちゃうわけだから、みんな何年かたったら黙っちゃった。それで、今また建築家として、ビルの崩壊についてだけ発言しているのが、リチャード・ゲイジさんとか、それ以前にも9・11のことをおかしいと言って追求していたデヴィット・レイ・グリフィンさんもいますね。グリフィンさんは2008年に日本にお呼びしたんですけど、その人たちの働きかけで、一人じゃできないからみんなで集まって、会を作って「9・11の真実を求める建築家とエンジニアたち」とか「9・11の真実を求める政治リーダーたち」とか、いろいろな専門家グループを作って、やっと重い口を開き始めたんです。
 今度ね、ハリウッドの俳優さんたちが中心になって、「9・11の真実を求める俳優とアーティストとの会」という面白いグループもできるんですよ。
和田:  へえ・・・チャーリー・シーンさんとか、そういう活動で有名ですよね。
 お父さんの俳優マーチン・シーンさんも、結構そういう活動をされているんですよね。
きくち:  はい。お父さんは反戦運動家ですよ。ロスでお会いしたことがあります。
 チャーリー・シーンは、9・11真相究明で頑張っています。お父さんは9・11のことはあんまり言わないですけど、息子のチャーリーは頑張っていますね。
 その準備に私も今ちょっとだけ関わっているんです。有名な人が100人集まったら発表しようということみたいです。日本人もその中に少し入っています。

アメリカのNYタイムズで、全米に向けた意見広告。
和田:  グローバルピースキャンペーンですが、アメリカの新聞に意見広告を出されたんですよね。
きくち:  はい。やろうと思いついたのは私ですが、私一人でやったわけじゃなくて、神戸にあった「元気村」のバウ(山田和尚さん)さんが中心になって資金集めをしてくれたので実現しました。ニューヨークタイムズはすごく広告費が高くって。最初、1,700万円かかりました。
和田:  1ページ、全米にですよね。
きくち:  もちろん、NYタイムズだから全米に配布されました。それはそれで意味があったと思うんだけど、それだけのお金があったら、もっと違うことができたのかな、とも思います。まあ、実際お金が集まったのは、「NYタイムズに意見広告を出す」という明確な目標があってそれにみんなが賛同してくれたので、あれだけのお金が集まったのでしょうけれどね。神戸元気村が事務局をやり、バウさんのつながりと信用があったからできたのです。
 私はその時は、二人の乳飲み子を抱えるお母さんでしたから。真生(まなぶ)を産んだばっかりで、毎日おっぱいをあげて、おむつを洗っていました。娘が1歳で息子が0歳。年子ですっごく忙しい時に、あの9・11事件が起こったのです。あまり動いたりとかはできないですから、とにかく家からインターネットで発信するだけをやったんです。
和田:  広告のメッセージとかとうのは、ゆみさんがいろいろと考えたわけですか?
きくち:  いろいろ考えました。私の文章ではなくて、あれを書いたのはアメリカの軍人さんが9・11事件直後にブッシュ大統領に宛てた手紙だったんですよ。
和田:  あっ、そうでしたね。
きくち:  それで、私も感動して、これ読んだらアメリカ人はみんな心動くと思って、それを載せようと。
 当然、私は戦争反対でした・・・でも、私が言ったってなんの説得力も何もないじゃないですか。だって、テロにもあっていないし、日本の山奥で、のほほんと農業して子育てしてハッピーっていう人が・・・笑
和田:  ええ。
きくち:  遠くの安全な場所から「戦争反対」と言ってもアメリカ人にとっては、説得力はないんですよ。でも、それをアメリカの軍人さんが、ベトナム戦争で戦って、英雄のメダルを貰っている人が、こう言ったんですよ。
 
 「アメリカが一人でも無実の人を殺したら、アメリカこそがテロリストになるんですよ。アメリカが本当に自由と民主主義の国なら、この問題を国際法を使って解決してこそ、真のリーダと言える。軍事侵攻は間違っている。アフガニスタンに侵攻してはいけない、ブッシュ大統領、もう一度考え直してください」
 
 「アメリカが本当に自由と民主主義なら犯人をちゃんと追及して裁判にかけて、そして、彼に罪を償わせなければいけない。それが、アメリカが世界のリーダとしてやるべきことだ」って書いてあったんです。
和田:  すごいですよね。
きくち:  もうね〜、私の言いたいことそのままなんですよ。でも、私が言ったんじゃ全然説得力がないんですよ。その軍人さんは「私は、愛国者です。アメリカが好きで、アメリカのために一生、奉仕してきました。」という人。その人が大統領に直訴しているんです。それで、感動して、心が動いて、私もアメリカ人も読んで泣いたんですよね。

和田:  すごい影響力ですね。その広告を載せるためにグローバルピースキャンペーンを作ったんですか?
きくち:  はい。3000人ぐらいの支援者が集まって、お金も集まりました。1,000円、2,000円とか1万円とか。小学生の子が、自分のお年玉なのか、貯金箱を割って送ってくれたりとか、すっごくうれしくて何度も泣いちゃいました。
和田:  それは、日本ですよね。
きくち:  日本です。9割日本、1割海外です。16カ国から集まりました。
和田:  それはどのように集められたんですか?
きくち:  インターネットで流しただけです。
和田:  働きかけただけ?
きくち:  はい。口座番号を載せておいて、どんどん入れてくれて。
和田:  へえー、別にいろんなPRとか、そういうことで動いたわけじゃなく。
きくち:  ないですけど、新聞報道が途中から入りましたね。やっぱり・・・
 なんか、どっかの山奥の主婦がすごいことをやっているという感じで、好意的に書いてくれましたけど・・・(笑)
 どうもNYタイムズに載ることになったらしいって、ほとんどのお金が集まった段階でマスコミが動き出した・・・
最初は無視されていたんですよ。でもガーっとお金が集まってきて1,000万円を超えてきたら、マスコミが動き出したんですよ。
和田:  なるほど。
きくち:  これいけるぞと思って、だから、その集めている間の最後の1週間ぐらい、家にずっとテレビ局の中継車とか新聞記者の人がきていましたよ・・・笑
和田:  全部で4回やったんですよね。
きくち:  はい。神戸元気村に事務局を置き、山田和尚編集長が「Open Japan Boomerang(オープンジャパンブーメラン)グローバルピースキャンペーン」というメールニュースを配信してくれていました。その後、山田和尚さんは糖尿病から目を悪くされて、目がほとんど見えなくなってしまいニュース配信は終了するのですが、最後の頃には2万2千部配信していました。そのニュースを読んでくださったみなさまと一緒に、いろいろなことをやりました。
和田:  ビルボードもやられましたね。これはニューヨークですか?
きくち:  ロサンゼルスのハリウッドです。ハリウッドのど真ん中の、サンセットブルバードとハリウッドブルバードの一番のメインストリートの交差点に出しました。そのビルボードのお金は私が支払いました。というか、『戦争中毒』という本の印税を使いました。
和田:  そうだったんですか・・・
きくち:  そもそも、『戦争中毒』のオリジナル版(英語)を出すのにも、グローバルピースキャンペーンで集めたお金を使ったのです。それがアメリカで大ヒットして、それで日本語版も出そうということで、翻訳チームを立ち上げてみんなで1章ずつ翻訳し、私が監訳をさせてもらいました。日本でも『戦争中毒』はとてもよく売れて、すでに7万部を越えていますが、その印税を使ってビルボードの広告代を支払いました。
和田:  すっきり使っちゃうんですか・・・笑
きくち:  うん。すっきり使っちゃった・・・笑
 江戸っ子なんで!入ったお金はパーっと・・・笑
和田:  日本から出されたということは、すごいことですね。
きくち:  そうみたいですね。うん、珍しいみたいですね。
和田:  「この広告は何なんだ」ということで、新聞社の問い合わせがすごかったんじゃないかと思うんですけど。その時に広告主は誰だとか・・・
きくち:  そうですね。
和田:  そこには、グローバルピースキャンペーンと書いているんですか?
きくち:  Webサイトには出していますけど、アメリカで広告を出すには、アメリカに事務所がないと駄目なんです。私はアメリカに事務所を持っていなかったので、軍人さんのメッセージを出した最初の広告のときに、アメリカに「平和を求める退役軍人の会(Veterans for peace)」という団体のの事務所を借りたんです。
和田:  そういうのは、いきなり聞くんですか?
きくち:  いや、やってるうちにいろいろな人とネットで繋がっていくから・・・その中で「こういうの知らない?」そういうネットワークとコミュニケーションの中から、アイデアがどんどん拡がってきて「その人を紹介してよ」みたいな・・・電話とeメールのやりとりで、人を紹介してもらって、聞いていくわけです。

私のような切り込み隊がいないと、事が始まらない。
和田:  ゆみさんは、英語が得意ですよね。アメリカの銀行で働かれていましたね。
きくち:  何年かな?4年勤めていたんですよ。東京支店ですけど、職場はほとんど外人だったんで。でも、銀行では仕事は債券ディーラーですから。1billion、MineとかYoursだけで、ほとんど英語とは言えないですね。
和田:  どういう意味ですか?
きくち:  Mineは私のもの、ですからは「買う」。Yoursはあなたのもの、ですから「売る」。当時は、それぐらいの英語しか喋れなかったですけどね・・・(笑) 英語ができるのは、バックパッカーで、散々世界中を一人で放浪していたからなんです。
和田:  そうなんですか。
きくち:  大学を出てヨーロッパを1年間放浪していました。
和田:  でもヨーロッパは英語じゃないですもんね・・・笑
きくち:  そうですね、でもやっぱり英語が多かったですね。英語とフランス語とスペイン語がしゃべれるようになったな、その時は。
和田:  もともと行動力が備わっていたんでしょうかね。
きくち:  行動力・・・自分じゃわからないんですけどね。あのね、私、考えないんですよ。
和田:  うん。
きくち:  普通の人は、考えて考えて考えて行動しなかったりするじゃないですか。よく考えてやるなんてことは全然なくって、思いつきと勢いだけで生きています。なんでも瞬間芸なんですよね・・・(笑)
 その瞬間、その瞬間生きているから、なんかグローバルピースキャンペーンも始まっちゃったし、NYタイムズに載せたいというビジョンが出ちゃったから、もうやるって「そんなのできるわけないんじゃん」とか「やめとけ」って何人に言われたかわからないけど・・・。でも、言うこと聞かないんですよ、そうなったら。「もう、やるって決めたからやる」って言って、一人で発信して勝手にやっているんですよ。その辺はちょっとみんなと違ってる。
和田:  昔からそういう感じですか?
きくち:  うん。思いついた時には、もうやってるみたいな感じですね。同時なんです。
団体行動はみんなで相談して、会議で決めて何かやるとかって、苦手で出来ないんですよ
和田:  そうなると思考になりますもんね。
きくち:  自分の中で考えが古くなって、腐っていっちゃう・・・笑
和田:  鮮度のあるうちに!・・・笑
きくち:  今回のインタビューも「熱いうちだよ」って言ったでしょ。
 その瞬間に、気が合った瞬間にパッとやらなかったら、それを逃してしまったらもう「次」とか「いつか」なんてないんですよね。
和田:  鉄は熱いうちに打て・・・いわゆる、普通に会社に行って働いているとか、一般の社会生活の中にどっぷり浸かっていると、やはり何か行動する場合に、いろいろ考えるじゃないですか。思考しているうちに、いろんな要素が入って来て・・・
きくち:  やったら損するようなことがいっぱい浮かんできます。考えていたら出来なかったですよ。今はわかっていますけど、こんなことやったら、こんなに大変なことになるっていうことが最初からわかっていたら、やらなかったなあ。
 そういう意味では、行動力があるっていうのは、良くも悪くも両方あります。私の場合は考えないでやっちゃうから、家族が迷惑しているところもあるし、私と一緒にいろいろやる人はヒヤヒヤしていることもあると思うのね。でもその半面、私のようにすぐ行動しちゃう切り込み隊みたいなのがいないと、もの事は始まらないです。自分の役割としては、最初の一歩をやるのが役割なのかな(自分でもそれば一番楽しいしね)、って、思います。持続可能に、ゆっくり何かをやっていくというタイプの人もいますよね。
和田:  うん。
きくち:  活動がある程度始まったら継続していくためには、もう少し慎重な人がいいと思うんです。私は、何か新しいことを始める係のような・・・ゼロから1のところで最初の何かを生み出すとパワーとか、企画力とか発想力とかがあるのかもしれないですね。あと、やるって決めたらやれるまであきらめないですね。

和田:  失敗っていうのは、あきらめた時に失敗になるっていう。成功するまでやり続けるということですね。
きくち:  はい、そうですね。あの手この手で実現するまでやります。これやって駄目だったら「もーやーめた」っていう風にはならなくて、「じゃあ、こんどはどうやろうかな」と違うやり方をやってみる。なぜ嫌にならないかというと、私は自分の好きなことしかやらないからですよ。何でも楽しくないとやりません。ここの農的な自給の暮らしも、手間ひまはかかるけど楽しいんですよ。稲刈りも、あの木に登ったカボチャも楽しくて、思わず笑っちゃいますよね。
和田:  なぜか、カボチャが木になってますよね・・・笑
きくち:  はい。今日のレンコンも美味しくってねえ〜
今日、これからお料理しますけども、楽しい美味しい日々を毎日送っています。私の人生は、おいしいものや楽しいものがいっぱいなので、平和活動とか、いろいろ困難なことも前向きにできるんだと思います。
 楽しい美味しい人生を自分もしているから、みんなにもして欲しい。何が楽しくて、何が美味しいのかは、人によって違うと思いますけどね。私にはここの暮らしが楽しいし、こういう食事が美味しいというのがあります。でも世界では多くの人が不当にそれを奪われています。イラクやアフガニスタンでは人々は戦火にさらされているし、アフリカやアジアでは食べられない人がたくさん。北朝鮮の人たちもきっとそうでしょう。いろんな所で不当に、人間が当たり前に「楽しいね、美味しいね」って言える日常の暮らしが奪われています。その多くにアメリカの外交政策、それに追従している日本が関わっています。それを放置しておけないです。少しでも平和で持続可能な地球社会を創るために自分のできることはやっていこうと決めています。それで好きなことをやっているわけですが・・・笑
和田:  これが何で実現しないんだろうと素直に思って、無邪気にというかね。
 多くの人たちは、9・11の件もそうですけでど「きっと何かあるだろうな」って思うし、なんか声を大にして言うのは怖いっていうかね。
きくち:  ああ・・・わかります。
和田:  「なんか変なことが起こるんじゃないの」って思いますよね。
きくち:  うん、でも何も起こってないけど・・・。まあ私はたいして影響力がないからかもしれません!(笑)
 もちろん9・11のこととかやってから、変なメールとか電話とかもたまにあるけれど、良い事の方が全然多いいですよ!
 私の今の仕事やいろいろなキャンペーンではDVDや本やチラシはパンフレとなどの制作物がたくさんあります。そのためにグラフィックデザイナーが必要、Webデザイナーやウェッブマスターが必要、あとそのためにコピーライターが必要だったりとか、いろんな才能のクリエイティブな人でしかもギャラはノーギャラか、あってもわずかなわけです。それでもやりたいっていうクリエイティブな人たちが集まってきています。そういう人たちは、お金のためにやっているんじゃない、やりたいからやる、このプロジェクトに意味があるからやらせてほしいというわけです。
和田:  そうなりますよね。
きくち:  私のところには、お金で寄ってくる人たちは誰もいない、私が何も持っていないっていうことを知ってるから。本当にわが家はエンゲル係数が高い(食べ物にはぜいたくしています)以外では、ほとんど全部が活動費で消えちゃうんですね。そういう風にやっているのをみんなわかっているから、私に寄ってくる人でお金を求めている人は誰もいないです。でもやっぱり、生きがい、やりがい、自分が社会に貢献したいとかそういうので来ているから、とにかく、会う人会う人素敵な方ばっかりですよ。
和田:  すごいパワフルでしょうね。無条件にみんな応援してくれるわけですから。
きくち:  そうですね。もう仕事をしていて楽しっくしかたないです!
 何かをしたら、対価をこれだけもらうとか、そういう話じゃないですね。
うん、だから、そういうところで動いているから、私からすると、とにかくレベルが最高の人っていうか、お金とか条件とかは卒業しちゃってるような人たちが集まってきています。しかもそれぞれの世界では、プロの人たちが集まっているわけですから、この人間関係はお金じゃあ買えない! ほんと楽しいですね。
 人生の一番良いことじゃないですか、素晴らしい人に出会えるっていうのが、その人の人生を豊かにするから。そういう意味では、私はリッチな人かも。「こいつ最高に面白いな〜」「この人すごいな〜」っていう人とばっかり、日々仕事をしています。
和田:  そういう風に考えたら誰でも始められるし、誰でも動けるんですよね。
きくち:  私は、美味しいものを食べるのが好きだったりとか、英語を使って英語圏の人たちとの橋渡しになりたいと思っていたから、だから英語を使うことが好きだったりとか、旅が好きだったりとか、人と会ってインタビューしたりとかされたりするもの好きだし、そういう自分の得意なこと好きなことでやっていくと、疲れないじゃないですか。
和田:  そうですね。
きくち:  ずっと好きなことをしているわけだから・・・。ちなみに明日から私、関西なんですよ。5連ちゃんで9・11や平和をテーマに講演したり、ローフードの講演と料理教室をやったりするんですけど、ほんと全部好きなことだから、気が重くなるとか準備で胃が痛くなるとかはないんですね。こうやってインタビューを受けるのだって、普通だったらやらないと思うのね。明日からの講演旅行のためにいろいろ準備があるから、って断るでしょうね。
でもまったくストレスとかプレッシャーとかないので、こうしてインタビューをしているわけです。
和田:  自分そのままで表現しているんですね。
きくち:  そのままを見ていただくだけなので、何の準備もいらない。

出したエネルギーは即戻ってくる。
きくち:  多くの人は、自分のことを卑下したり、比較したりとかしますよね。
 私は基本的に人間は平等だと思っています。確かに生まれつきの貧富の差はあるけれど、生まれつき大金持ちだから偉いとは思わないし、身分が高いとか肩書きがあるからすごいとも思わないし、その逆も思わないです。みんなそれぞれ役割を持って、その環境に生れてきていて、何かをやるために人と人は出会う。だから人との間に垣根はないし、気後れもしないです。例えば相手が王様とか天皇陛下だったとしても、遠慮や気後れは別にないです。だから、身分の高い人や年配の方から、たまに怒られることはありますね。「ずうずうしい」とか「礼儀をわきまえていない」とか。年輩の方で私のことをずうずうしいと不愉快に思う方もいらっしゃると思います。そういう意味では垣根がないし、誰に対しても同じで、差をつけないですね。
和田:  人をレベルで分けてはいけないんですが、意識の高い人というか、意識の拡がった人というのは、全然オープンハートですよね。
きくち:  そうですね。だから「怖くないんですか?」ってよく言われるけど、宇宙は私が出したものが戻ってくるようになっているから、怖くないですよ。私が怖いことをやらなければ、例えば誰かをやっつけてやるとか、殺してやるとかね、そういうことをしようとしているのでなければ、そういうエネルギーは私に戻ってきません。9・11事件の真相を求めることだって、誰かをやっつけようという話ではありません。真実を知って、次の9・11のような事件を防ぐことや、今起きている対テロ戦争を止めることが目的です。
和田:  うん。
きくち:  「もうこれ以上やらないでね」って、これを表に出して、誰が本当の犯人かということがわかったら、もうできなくなります。「これ以上、人を殺し、地球を傷め続けるのはやめよう」っていうのはありますが、それをやった人を殺したいとかはありません。報復することは目的にありません。この宇宙はただ、自分の出したものが自分に帰ってくるんですよ。自分が怖いと思ってやっていたら怖いものが戻ってくるし、わたし的には、カッコよく言っちゃえば「愛」に基づいた行動をしているだけです。
 私は東京下町育ちで、言葉は乱暴なんだけども、誰かを傷つけたいと思って活動をしているわけではないので、怖いことは何もないですね。
 こういう活動を始めたばかりのときに、「怖いな」って思ってやっていた頃は、怖い目をした人たちがいっぱい来ました。
和田:  うん。
きくち:  ほんと鏡ですよ。出したエネルギーが即戻ってくる。だから全部オープンにするしかないなって、観念しました。ここにはいろんな人がきます。例えば、公安警察が来るとかも、前にはあったんですよ。
 グローバルピースキャンペーンを始めたころですが、「なんで来るんだろう?」と思って聞くと、彼らは「きくちゆみさんが有名だから、心配だから来ました」っていうのです。でも、それだけじゃないですよね、やっぱり私が何をしてるのだろうか、とチェックに来るわけですよね。でも何もかもオープンにして「全部見てちょうだい」ってやってると、向こうも「この人は大丈夫だな」って思うんじゃないかな。向こうはテロリストとかが怖いわけじゃないですか。ほら、昔は過激派とかいたりとか・・・
和田:  ええ。
きくち:  だからきっとチェックしたいわけですよ。後をつけられたりとか、あちこちにいった写真をとって送ってきたり、というのもあった。でも、そいうのにもニコニコしてるんですよ・・・
 「また、いたわね」って、もしつけられていたら、ちゃんと気がついて「気がついているわよ」ってサインを送って、でも、その人を睨むとか攻撃するようなことはしない。その人は、仕事でやってるのですから、大変だなと思って、わざと手を振ったりとか、そうすると向こうも嫌になっちゃうでしょう。仕事で言われてやってても「この人は敵じゃない」「悪人じゃない」って思うでしょうから。
 私の中では敵はないです。あるとしたならば自分の中にある闇っていうかね。自分の中にある怖れっていうのは、唯一敵であるとしたならば、それが敵です。その辺がわかっちゃったらね、怖くはないですよ。
和田:  そうですよね。本当に内側の鏡ですもんね。
きくち:  そう。戦争も内側の鏡だし、地球環境が壊れてるのも私の反映です。私は自分の身体、それと自分の暮らしを、本当にシンプルに平和に、美しいものにしていきたいんですね。まだできていないですよ。それを目指してはいます。私が、そしてこの地球の一人一人がそうできたときに、社会や地球環境も整っていくと思っています。

ローフードで、身体と地球によい料理。
和田:  今、自分の身体っていうことを言われましたけど、今日もレンコンをとりましたけど、そこのお庭というか山ですね。畑になっている春菊とか、レタス、カボチャ、秋はずいぶんできますね。
先ほどは、おいしいローフードのランチをいただきました。手づくりのスムージーとか、全部、すごく美味しかったですね。
きくち:  美味しいし、身体の満足感が違うでしょ?
和田:  そばと春菊となんでしたっけ?
きくち:  今日はからし菜とバナナ。そばの実の発芽したやつですね。全部生ですね。
和田:  先ほど頂いたんですけど、お昼をご馳走していただいて、ゆみさんは料理研究家でもありますね。
きくち:  私が目指している料理は、身体と地球によい料理というのを目指しています。以前は、マクロビオティックを教えていたんですよ。しかも「ここで採れたものだけでやりましょうね」って言って、お料理教室は、まず最初に畑に収穫に行くところから始まるんですよ。
和田:  へえ〜。
きくち:  それで、みんなで収穫して、それをお料理する、出すっていうのをやっていました。でも、今はローフードに出会ったのね。
和田:  ローフードって多分みなさんわからないと思いますね。
きくち:  そうですね。まだほとんどの人が知らないですね。ローは、RAW。日本語にすると生食、生の食べもの。生の野菜と果物、まあキノコも食べますけど、生の食べものっていうのは、加熱した食べ物と何が違うかというと、酵素が生きている。酵素は48度以上に加熱すると壊れちゃう(正確には、不活性かする)んです。元々食べものが持っている酵素が無くなっちゃうと、体が消化しにくくなります。そうすると疲れやすくなり、老化が進み、体に老廃物が溜まって、太ったり、冷え症になったりします。完全ローの人は、体が暖かくて、冬でもTシャツ一枚でいます。私はまだそこまではいってないけど、前より冷え性はなおりました。体がポカポカしてくるの。マクロビをやった人は、陰陽論を習うので、生のものを食べると「体が冷える」って習っていますから、ローフードは拒絶する人が多いですね。私もマクロの影響を受けていて、15年もほぼマクロの食事でしたよ。2年前にローフードに出会って、恐る恐る始めたの。マクロビが良いと思っていたけれど、やっぱり冷え症が治らなかったのです。ローフードやって2カ月ぐらいしたら、35度台だった体温が36度台になって、それからうれしいことに、27インチだったG パンが今では25インチになったんですよ。子どもを産んでからおなかの周りだけが太って・・・27インチでもまあ、一般的にはそんなに太ってはないですけどね。それが、ローフードにしたら2カ月で25インチまで落ちたのに、体重が変わらないんですよ。つまり、筋肉量とかが増えて締まったんですね。体型が変わっちゃって、今結婚する前の体型というか、学生時代ぐらいの体型に戻っちゃったんですよね〜

和田:  よく筋肉量を増やすのに、肉を食べるって思いこんでいる人がいるじゃないですか。
きくち:  ああ、普通の栄養学ではそう教えます。
和田:  でも、実際は違うんですよね。
きくち:  お肉は体はそのまま利用できない、いや利用するのにすごく大変なんですよ。一旦全部アミノ酸に戻して、また構築し直すので、それをやるまでに体がすごく疲れるのと、老廃物がいっぱい出るんですね。それが臭くて、体臭になったりとか、老化を進めたり、白髪が増えたりとか。私も15年前までずっとお肉も食べてたし、今でも出されれば食べるけどその頃より、今の方が元気で、肌がきれいです。自分の体の感覚としても20代の頃より、今のほうが体力も知恵もある。
和田:  抜け毛や育毛にも、生野菜をたくさん食べると結構いいそうですね・・・笑
きくち:  うん、うん。聞いたことがある。ローフードですよ。戻りますよ!
 生きているものを食べるんです。火にかけると死んじゃうんですよ。お肉、お魚を食べるんだったら生が良いんです。お肉もお魚もお刺身が良いですよ。ただ、お肉、お魚を食べる時は、ご飯や麺などのでんぷんとは合わせてはいけないんです。
和田:  あっそうなんですか。お米は炊いちゃうから?
きくち:  ううん。消化酵素が酸とアルカリで逆だから。我が家も夜は、子どもたちがいますから炊きますけど、私は1日のお米の量はスプーンに2杯ぐらいかな。大さじ1杯か2杯で足りちゃっていますね。
和田:  満腹感がすごかったですね。
きくち:  さっきのスムージーすごいでしょ!あれは、昨日の発明なんです!
 そばの実が古くなっちゃったからどうしようと思って、水につけてたら発芽しました。それを食べたらすっごく美味しんで、これスムージーにいけると思って、昨日からやり始めたんです。美味しいですね〜、あれしばらくはまりそうです。


(発芽させたそばの実)
和田:  春菊の胡麻和えに、サラダとスムージーとパン。
きくち:  あと果物、ローフードやらなくてもいいです。やりたい人はやってください。元気になるし肌が若返りますしね。肌とかきれいになるから、やりたい人はやってもいいんだけど、ローフードには興味ないという人でもやってほしいことがひとつだけあります。それは、食事の前に果物を食べること。日本人は食後のデザートとして果物を食べるじゃない?それはローフード的にはNGなんです。それをやめて食前の果物。
 食事の前に、最初果物を入れるておくと、その果物の酵素の働きが一番いい感じでお腹に広がって、その酵素の力を使って、次に食べた物を消化してくれます。デザートとして食後に果物を食べちゃうと、ただの糖。
 例えば、糖尿病の人は「果物を食べてはいけませんよ」って制限されていると思うんですよ。それは、そういう食べ方だからなんですね。食前の果物とか間食の果物、単独の果物は大丈夫です。
和田:  そうなんですか。
きくち:  果物は食前、できれば20分から30分前に、旬の果物を食べておけば、すごく違いますよ。消化を助けてくれる酵素がたっぷりだから。
和田:  果物は、別に特定のものってありますか?
きくち:  旬のものが安くて良いんじゃないですか・・・。今だったら、うちは梨を毎日いっぱい食べてます。梨とか柿がいっぱいなっているんで。ここは採ってくるだけですからね。
和田:  ローフードは、僕もちょうど、カリフォルニアのバークレーで、カフェ・グラティチュードに行きました。
きくち:  ありますねー・・・
和田:  そこでローフードを体験して、あとセドナに行ったときもあったんですけど、そこはローフード専門ではなくて、メニューの中にローフードかな?
きくち:  ビーガンかな?(乳製品や卵なしのベジタリアン)
和田:  ビーガンでしたね。
きくち:  そうだね、ビーガンが多いよね。ロービーガンが結構流行っていると思いますよ。
和田:  そこでローフードのクッキー。火を入れていないクッキーってどうなんだろうと思って頼んだら、美味しんですけど、ズヨっとした感じの・・・
きくち:  はい。あれはね、ディハイドレーターって言って、水分を飛ばす器械で作るんですよ。
和田:  つまり、焼くということは水分を飛ばすわけですよね。
きくち:  えええ、それを48度以下でやる。水分だけ飛ばす。そうすると、酵素だけは生きている。
和田:  でも、カリカリにはなっていないんですよね。
きくち:  カリカリにすることはできますよ。完全に飛ばせば。乾燥の時間によって、もっと水分を飛ばせば、普通のクッキーっぽくできますよ。だから、グシュッてという感じなのは、乾燥を途中で止めたソフトクッキーだと思います。
和田:  美味しかったんですけど、ものすごくお腹が膨れるんですよ。
 ローフードは、まだ、ほとんどの人が知らないんじゃないですか?
きくち:  知らないでしょねー。これからですね。
和田:  最初に聞いたら、スローフードかなと思って・・・
きくち:  常に間違えられます。私の話を聞いたにも関わらず、スローフードと言っている人もいるので・・・(笑)。 今やっと日本で、スローフードのことを少し知っている人がいるぐらい。ローフードはこれからですよ。
 『ローフード 私をキレイにした不思議な食べもの』という本を出したので(著者:石塚とも)、ぜひそれを読むといいですよ。私が企画と出版をしました。著者の書石塚ともさんはローフード100%で、本当にキレイになった人です。
和田:  Webサイトでもローフードについて紹介していますね。
きくち:  彼女はローフードが専門です。やっぱり専門家に聞け、ですね。私の場合、ローフードは自分の健康維持のために今一番いいと思っているので取り入れていますが、それが専門っていうわけではないのでね。ローフードもやっているけれども、石塚ともさんのサイトがすごく良いと思いますよ。
 ローフードは、簡単に言うと、野菜と果物とナッツとシード・・・種ですね。豆も穀物も大丈夫ですよ、発芽させれば。
和田:  そういうものをいろんなバリエーションで、いろんな料理を作る。
きくち:  何でも出来ます。想像つかないでしょう?・・・笑
和田:  興味はあったので、いろいろ食べてみたいと思ったんだけど、カフェ・グラティチュードで頼んだものでお腹がいっぱいになっちゃって、他のメニューが頼めなかったんです。非常に興味深いですよね。
きくち:  私はこれからの食べ物だと思っているんです。自然界を見渡してみて、人間以外でローじゃないものを食べている生き物はいないでしょ。野生動物はローフードしか食べていない。人間だけが火を使う、そうしたから自然と別れちゃったと思っています。
 私はこのことは、すごく大きいと思っているんですよ。ジャングルに帰ろうとは言わないけど、こういう所に住んでいてもなるべく自然まま、生のまま食べるっていうことが大事だな、と。火を通しちゃうと、例えば肉なら死体を食べるということになる。ローで食べれば、生きたエネルギーが私の体の中に入って、そして、そのエネルギーを使って、活動とか思考とか出来るわけだから、
自分が元気になれば、地球がよみがえる。
和田:  先ほども、料理のときに横でお話を聞きながら、体と地球が一緒だと言われてましたよね。
きくち:  そうです。私にとってその気づきが一番大きかったですね。最初、アメリカの銀行に勤めていて、ベリーズというところにバカンスに行ったら、森が壊れていて・・・
和田:  ベリーズって何処にあるんですか?
きくち:  中央アメリカ、カリブ海にあるちっちゃな国なんだけど。たまたまそこで、森が伐採されて見渡す限り無くなっちゃったところに立ち会ったのがきっかけで、地球環境が大変だと気がついたんです。その頃は、環境問題を勉強するために本ばかり読んでいて、すっごい頭でっかちになっていました。何読んでも、どの先生の本を読んでも、このままでは地球が終わりなわけ。「地球は死に向かっている」って書いてあるのね。もう元に戻んないって、森も駄目、砂漠化も止まらない、海洋汚染・大気汚染・核の廃棄物・温暖化から、ありとあらゆるところで、取り返しのつかない状況になっているって書いてあるんですよ。
和田:  うん。
きくち:  それを読んで、絶望的になって「もう駄目じゃん」って思ってました。でも、それをずっと読んでいるうちに、ある時に地球を生かしているメカニズム、大気の循環・水の循環・物質の循環、そして、私を生かしているメカニズム、呼吸と血液の循環と食べ物の循環っていうのが同じだって気がついて・・・地球も海と陸で7対3、私の体も水が7割なんですね。「私の体が地球じゃん!」っていう、すっごい気づきがありました。私はミニチュア地球。この体が私に与えられた担当で、地球お母さんからもらった体で「これをちゃんとすること」が私の役割。Robin(和田のニックネームです)はRobinで、その体をちゃんとしなさいよってもらったわけよ。
 でも、みんな結構自分の体をおろそかにして、外の活動をしているんです。私もそういうところがあるんですけれど、「あ、ここ(自分の体)からやんなきゃ駄目だ」っていうことがわかったときはうれしかった。そして、同時にカラダをきれいにするような食べ方や暮らしは、地球もキレイにします。たとえば、カラダをきれいにするには水が大事。我が家の水は沢の水ですが、排水は田畑にそのまま流しているから、もし私が合成洗剤や農薬の水を出しちゃったら、その水で育てた野菜や米を食べることになるから、化学物質は使えない。だから、自然分解しない化学物質はこの家にはないんですよ。そういうものを一切使わないで、昔の人もそうやって暮らしてきたでしょうから、昔のおばあちゃんの知恵をひもといて、「どうやって体をきれいにしたらいいの? 」「髪はどうやって洗うの?」「どうやってお掃除すればいいの?」と昔のことを調べたら、全部やり方があるんですね。
 お塩を使ったり、お酢を使ったり、重層を使ったりすれば、洗剤も石鹸もいらないで暮らせるんですよ。だから、我が家では一切そういうものを買いません。すると、お財布も助かりますよね、買わないから。しかも、自分がきれいになって、ここもきれいになって、ここの家の周りの排水溝には蛍が住んでいるんですよ。私たちがこの家に住み始めてから、蛍が戻って来たんですよね。
和田:  ここの水に・・・
きくち:  うん、この排水溝に、だと思うんです。だって蛍は最初いなかったから、それが、家に住むようになったから蛍がもどってきた。人間だって暮らし方をちゃんとやれば、自然の回復に貢献出来るんですよ。
和田:  うん。
きくち:  私は、ずっと偉い先生の本を読んでいた時は、人間は癌細胞だと思っていて・・・人間なんか全部いなくなっちゃえと思って絶望していました。ものすごく極端になっていて、そうするとテロリストと一緒ですよね。地球を壊すような人間は死んでしまえ、と思っていたわけだから。思いにはエネルギーがあり、実現しますから・・・。そういう時期が一時期あったんだけど、子どもを身ごもったときぐらいから、そうじゃないんだ、私が地球にこの体を与えられて、この体を本当にきれいに整えていく、そのためには食べ物もきれいにする、出すものもきれいにする、私の出すうんこもおしっこもきれいにして、土に還して、そこに化学物質がないようにしてあげればいいわけわけですよ。そうすると全部循環して、全部恵みが戻って来るんですね。お陰で私はものすごい健康な身体を手に入れて、いつも疲れ知らずだから、仕事もいっぱいできるんですね。この年齢なのに疲れ知らずなんですよ。そうすると何やっても楽しくなったんです。「なんだ、私がきれいになって、元気になることをやれば、地球がよみがえるんじゃん!」って、わかったからです。「みんなをきれいに元気にしてあげれば、地球が蘇る」っていうことをやっているんですよ。
和田:  共時性がありますしね。
きくち:  そうですね。食べ物をきれいにしたら、思考もきれいになりますね。今、人間がみんな死ねばいいとは思っていませんから、その逆ですね、産まれて来た人が全員生きられるようにしたいと思っているので、今起こっている戦争とかを止めたい。
和田:  うん。
きくち:  産まれてきた子が無残に殺されるわけだから・・・何の罪もなくても、ただアフガニスタンにいるだけ、ただイラクに産まれただけで、子どもたちは殺されるわけでしょ。そういうのは放っておけない。別れていないんです、その子たちと私は。同じ私の一部が死んだようなものだから、そういうのを放っておけないし、気がついた私から出来ることをやり、いろいろ情報を発信しているわけですね。
和田:  素晴らしいですよね。ある意味で、当たり前なんですけど・・・。
きくち:  うん、当たり前かな。私にとっては当たり前のことをしているだけ・・・笑
和田:  ねえ・・・笑
きくち:  自分の事だから一生懸命やっているんです。どれも自分の事だと思っているんで、地球環境の事も、戦争の事も、ここの水の事とかも全部自分の事なんでね、すべてが巡ってるから。自分とすべての命が繋がっているんですよ。それは、生態系のことを考えて、ここで暮らしているとほんとにわかるんですよ。だって、私のうんこが野菜になるんですよ。
和田:  そういうことですよね・・・笑
きくち:  簡単に言っちゃうと。これは息子の真生がまだ小さいときに、今の言葉をそのまま言ってくれたんです。真生が3歳ぐらいの時に「僕のうんこが土になって野菜が育って、また僕がうんこして、ぐるぐる回っているんだよね」ってお風呂で言ったの・・・笑
 「真生すごい、そうだよ」って、私は言いました。ここで暮らしていると3歳の子でも、そういうことがわかるわけですよ。

和田:  うん。
きくち:  そうすると、そのうんこの中に、私がジャンクフード食べて、添加物いっぱいの物を食べたら、添加物も化学物質も残るわけじゃないですか・・・そしたら、またそれを食べないといけないでしょ。そうすると、自然と食べるものに気をつかうっていうか、巡りの中で食べて良いものいけないもの、使って良いものいけないものっていうのが、はっきりわかってくるんですね。全部繋がっているから。その繋がりっていうのが、何処まで広げていけるかですよね。
 私は、ある意味で地球と繋がっちゃったんですよ。環境問題に絶望して、人間が癌細胞だから、みんないなくなっちゃえばいいと思っていたある時に、それを乗り越えた時に、覚醒があったわけですね。「あ、私と地球は同じ」「私は地球だ」っていうことがわかって、私が元気にきれいでいれば、地球のお母さんが蘇るっていう、ある種の悟りというか、それに気がついたんです。それから、それに沿って生きてるんですね。
 自分がきれいになって蘇って、地球もきれいになって蘇るなら、WIN-WINだから楽しいし、私の周りの人も元気になってくるから、それも見てても楽しい。「わーよかった、みんな元気になってよかった」ということだからストレスがないですよね。それが環境運動だと、普通は「地球のためにこれを我慢しましょう」という話になっちゃうんだけど、私の場合は我慢でやっていることは一個もないんですよ。全部自分のためだし、全部地球のためだから・・・だから、楽ちんで楽しく出来ていますけどね。
和田:  娘のアンナちゃんはローフードはどうですか?
きくち:  アンナちゃんは好きじゃないね。アンナちゃんはドーナツだね。
ふふふ・・・笑 でも、これはおからドーナツで、地元のおからで作ったドーナツだから美味しいの。
和田:  やっぱり食べ物も、普通の子どもたちというのは、本来必要なもの以上のものを与えられていて、過剰なものが当たり前になっているから、そこに生れていると減らしていくことが少し難しいですよね。
きくち:  うちの子たちだって、私の作るケーキよりケーキ屋さんのケーキがいいし、「お母さん、デニーズに行こうよ。マクドナルドに行こうよ」って言いますよ。同じですよ、テレビで見たものを食べたいとか、ポケモンの何かついているクッキーとかパンとかあれば「それが食べたい」と言うから。でも、それを禁じたりしてはいないんですね。
和田:  うん。
きくち:  ただ、小さい時に本物の味を知っているから、いずれ自分で選べる人になるだろうという風に信頼はしているんです。いずれ本物の味と偽物の味がわかる子になるだろうと思って、ここでは一生懸命自分が作った手作りのものを食べさせたいから、毎日作っているんですね。でも、うちの子も、ママの作るものが食べたいとはあまり言わないで、売っているものやレストランのものがおいしいと思っていますよ。
 
 (真生くん登場) おいしいよ・・・(おからのドーナッツを持ってきてくれました) 
きくち:  ありがとう・・・笑
和田:  かわいいね・・・笑
きくち:  甘いお砂糖がいっぱい入ったお菓子の方が美味しいって・・・・
 でも、本物のものを食べていれば、それは知っているので、一回ずれても、いつかそこに戻ってくれると信頼はしているんです。

一人が覚醒したら、それは世界の覚醒。
和田:  先ほど言われていましたが、直感で動かれているので、5年後は何しているか分かんないという感じかもしれませんけど・・・笑 どうですか?
きくち:  多分、この延長上の事だと思うんですね。
自分の体と地球が同じ、両方を元気にしたいと思っています。そして、すべての命は人間もですけど、人間以外の命も繋がっています。食物連鎖から何まで、生態系なのでこの地球上に住んでいる人は、同じ地球の仲間たちなので、その命がちゃんと豊かに喜びを持って生きられるような社会にしたいんですね。
 私が世界中を変えられないですけど、私は私とその周辺に影響を与えられるから、その範囲でやっていきたいと思っています。一人の想いというのはすごく遠くまで飛ぶので、ほら、ディーパック・チョプラさんが「一人が覚醒したら、それは世界の覚醒なんだ」って言っていたでしょう?そういうことだと思いますので、私は私のところでしっかりやりながらも、イメージ的には宇宙までという感じで、いつもそういう感じでやっていきたいです。
和田:  本当に深い情報発信ていうのは、多分、こうやって発信されているんですよねきっと、こんな田舎から、そんな情報が発信されているとは思わないですよね。
きくち:  思わないですね・・・笑
和田:  本当に深いメッセージは、場所関係なく伝わっていくんですね〜。
きくち:  そう思いますね、だから、グローバルピースキャンペーンで本当に分かったんですけど、9・11があったからって、アフガニスタンの人たちが「爆撃されるいわれはないよ」って直感的に思った人が日本に3000人以上もいたんです。私のメッセージが届いた人たちの中で心が動いた人たちが、お金をくれたわけですよね。そういう優しい気持が、誰の中にでもあるんですよ。
 私はそのことに一番感動しました。
 人間に絶望する時もあります。こういう運動やっていて出会う人の中にいやな人もいるし、一方でお金儲けのために人殺しまでしちゃうのが人間。でもどんな人の中にも、優しい気持はある。全く見ず知らずのアフガニスタンの子供に、一生会わないかも知れないのに、何とか戦争を止めたいと思う人が少しずつ動いて、1700万円が2週間で集まったっていうことに希望がある。戦争は止められなかったけど、こういうことが起きたこと事態がすごいです。人類にもし希望があるとすれば、そういうことだと思うんですよ。
 自分の利益や見返りとか何にも求めず、「ともかくこの戦争を止めたい」っていう人たちがいるわけですよ、日本に。
 それを知った時にものすごく嬉しかったし、希望を持ちました。「人間というものを信頼できる」って、そのこと一つだけでも信頼に値します。
 いやなことももちろんありますよ。戦争もまだ続いているしね。でも何とか止めようとしている人も、ほんとに世界中にたーくさんいるんですね。みんな普通の人、偉いとか地位があるとかじゃなく、私と同じように、ただのお母さんだったり、お父さんだったり、学生さんやサラリーマンだったり、普通の人がみんなちょっとずつ勇気や優しさを持っています。それが合わさったならば殺し合いなんか、この星はすぐ卒業できるって思うんですよね。
そういう意味では、私は今も希望を持っていろいろなことをやっています。

和田:  そういう小さな行動とか、それを表現できる場が、もっと身近にあれば引き出せるんだと・・・
きくち:  そうですね。
和田:  何もベースのない所で、自ら行動するというのは難しいかもしれませんけど。
でも、ゆみさんや他の方もたくさんいますし、そういう活動を応援するとか、参加してみるというのも一つだと思いますね。
きくち:  はい。
和田:  今後も、これをきっかけに広がっていくといいなと思っていますので・・・
きくち:  ありがとう。「きくちゆみのブログ」を見てください。
 私のブログで、ローフードから戦争の事、9・11の事まで幅広く書いています。ブログを読んだら、人気ブログランキングというのがあるのだけど、それをクリックしてくれるだけで応援になります。ランクがあがると、読む人も増えるので
和田:  そうですね。
きくち:  そういうことだって助けになっているんですよね。やっぱり一人一人が出来ることをやることが、ものすごい助けになるので、どんなに小さなことでもいいから、出来ることをやってくれたらいいなあと思います。
和田:  ポッドキャストも・・・
きくち:  ポッドキャストもやっていますね。
和田:  今日は、長時間、本当にありがとうございました。
きくち:  ありがとうございました。
和田:  楽しかったです。
きくち:  はーい・・・。また会いましょう!
きくちゆみ /
プロフィール
東京・下町生まれのちゃきちゃきの江戸っ子。マスコミ、金融界を経て、1990年から環境問題の解決をライフワークに。911事件をきっかけにグローバルピースキャンペーンを立ち上げ、米紙への全面広告やハリウッドへのビルボードを実現。ヒット作は『戦争中毒』。911事件の真相を追及した『911ボーイングを捜せ』『911の嘘をくずせ』、米国の外交政策の本質を描いた『テロリストは誰?』の日本語版を制作し、配給中。
【取材後記】
  ゆみさんは、ピュアな人だ。飾らず、オープンマインドで、ストレート。すごく頭の回転が速くて、感性も鋭い・・・というのが、ゆみさんの印象だ。
 9.11事件の問題の核心に迫って活動したり、イラク戦争に対する反戦活動として、全米の主力新聞に広告を出したり、世界の政府に平和省を作ろうという運動をしていたり、はたまた、ローフードの料理研究家であったりと、活動は、彼女の興味の赴くまま、しかも、視点がとても大きくて、グローバル。ネットワークもワールドワイド。
 彼女が対峙している問題や相手がどうであれ、彼女の信念から、そして、愛からの視点で、当然と思えること、どうもおかしいのでは・・・と思えることについては、率直に疑問を投げかけ、また、きっぱりと発言し、行動によってメッセージを伝える。こうしたことは、誰にでもできることではない。
 僕は、ゆみさんはどんな傾向のパワーやエネルギーを内在していて、こうした活動をしているのだろうと興味津々で、少し意気込んでインタビューさせてもらったけれど、当のご本人は、あっけらかんと気負うことなく活動しているようで、その自然体に少し力んでいた自分もリラックスしながらお話を聞くことができた。もちろん、その活動は、実際には、様々な出来事(トラブル)や困難があったはずだけど、そんなことに囚われることなく、問題があれば解決するか、迂回して、目標の実現のために一歩一歩前に進む。そうした真っ直ぐな気持ちが、大きなエネルギーとなって、共感者を呼び、一人ではできないことをみんなの力を集めて、大きなパワーとして牽引していく、そんな存在なんだなあと感じました。
 それにしても、ゆみさんの自然体は、こちらも自然体にさせてくれる。出会いも、出来事も必然として、直感とシンクロニシティに生きていて、常に、オープンマインドで接してくれるので、出会った瞬間から、気負うことなくお友達になれるような存在。もし、ゆみさんに対等性を感じない人がいるなら、自分は何を感じているのか、どんな感情があるのかをみるといい。多くの人は、自分の内面の問題や傾向を他人に投影して、問題の責任を相手に持たせようとしがちだ。純粋な存在を前にすると、そうした自分の内面はより明確に現れるもの。それは、静かな湖面に映る月のように、自らもよく映るものだ。
 ジョンとヨーコが、愛から世界にメッセージしたように、ゆみさんも彼女なりの視点で、世界に対して愛を表現しているように思える。これからも、自然体で、楽しみながら活動を広げていってください。応援しています!

記 和田達哉